【コラム】主流政党が極端扇動家と手を握れば民主主義崩壊する=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.14 17:15
トランプの執権背景としてよく指摘されるのが既得権層に対する疎外階層の怒りと反感だ。グローバル化と新自由主義の恩恵を受けられなかった低学歴、未熟練、低所得階層が深刻化する経済・社会的両極化に鬱憤を爆発させてアウトサイダー扇動家に票を入れた結果というものだ。英国の欧州連合(EU)離脱、いわゆる「ブレグジット(Brexit)」も同じ背景で起き、欧州各国で極右または極左派ポピュリストの政治家がそろって勢力を伸ばしているのもこうしたことが背景にあるという。ますます激しくなる競争構造で生き残った少数と脱落した多数の間の不平等と格差が広がりながら、自由民主主義を支える土台である中産層が崩れている。貧困層に転落した人のための社会的セーフティネットは、限界に達した財政能力のせいでますますその網目が荒くなっている。極端主義的扇動家が勢力を伸ばすのに最適の条件であり環境だ。米国や欧州だけでなく、世界的現な象だ。
扇動家型の政治家たちは複雑な問題を単純化する。階層、理念、人種、宗教を中心に敵味方に分けてすべての誤りの根源は相手側にあると主張する。これまでの政治家たちを非民主的で非愛国的な者だと罵倒して、自身だけが国民の声を代弁し、腐敗したエリート集団を追い出すことができると大声を張り上げる。甘く痛快な甘言利説で票を集め、一旦執権に成功すれば、扇動家は本性を表わす。司法府を思い通りに変えて政治的武器として活用し、報道機関や市民団体を買収し、政治ゲームの規則を変えて自身に有利なように局面を作っていく。