【グローバルウォッチ】韓中のTHAAD葛藤、本当に解消したのか

【グローバルウォッチ】韓中のTHAAD葛藤、本当に解消したのか

2017年11月10日09時48分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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韓中のTHAAD葛藤、本当に解消したのか
  米国の韓半島(朝鮮半島)専門家らの視線がトランプ米大統領のアジア歴訪と北朝鮮に送るメッセージに注がれている。これまで専門家らが最も関心を向けていたのは文在寅(ムン・ジェイン)政権と中国の間の「複合的で外交的なダンス」(complex diplomatic dance)だった。

  すなわち、韓中両国が高高度防衛ミサイル(THAAD)をめぐる葛藤を整理するのにどんな合意に到達したのか、到達したとすればその条件は何かという点だった。

  この問題に対する韓中の公式記録は紛らわしい。双方の解釈が異なるからだ。先月31日の韓中6カ国協議首席代表協議の結果について韓国外交部は「北の追加挑発抑止および緊張緩和など状況の安定的管理のために共同で努力することにした」と発表した。

  しかし中国側は韓国の国防政策にもう少し確定的な合意があったと認識した。中国外務省の華春瑩報道官は「3不(No)」に言及した。「3No」とは次の3つだ。「韓国は米国の地域ミサイル防衛(MD)システムに加わらない」「韓日米安保協力は3カ国軍事同盟に発展しない」「追加のTHAAD配備はない」。

  マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)はアジアメディアのためのブリーフィングで、韓国が果たして自らを束縛する約束を中国側にしたのかという点に疑問を公式的に提起した。

  「3No」は韓国外交部の発表文にはないが、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が先月30日の国会国政監査で言及したことで誤解を招いた。

  これに関連して2つの質問が提起される。一つは、韓中間に「3No」の合意があったのか。もう一つは、合意があったとすれば、中国はTHAADで触発した韓国企業制裁(sanctions)を中断することに合意したのか。

  最初の質問に対する答えは「そうでない」の可能性が大きい。韓中首席代表協議の結果に関する韓国側の発表文は「3No」を入れなかった。

  韓国政府の公式立場は発表文をそのまま解釈するべきであり、発表文にはないいかなる約束も中国側にしなかったということだ。「3No」合意がなかったとすれば、中国は協議の結果を間違って外部に伝えるものだ。

  しかしタイミングが釈然としない。THAAD葛藤の収拾のための韓中会談の前日に「3No」に言及したのは何を意味するのか。

  「3No」は文在寅政権の意図と全く関係がないものではない。韓日米3カ国同盟を結成すると信じる人も誰もいない。追加のTHAAD配備があると信じる人も当然いない。また、韓国と米国はMD協力をしているが、韓国はひとまず独自のキルチェーン(kill chain)構築に集中している。

  なら、中国の態度はどう理解するべきか。中国は韓国に経済的な圧力手段をこれ以上使わないと公式に明らかにしたことがない。もしそのような約束をすれば、中国は問題を起こした北朝鮮の代わりに韓国を苦しめたことを認めることになる。

  韓中THAAD葛藤の整理をどう解釈するかについて、米国の韓国専門家らは意見が一致しない。一部の専門家は北京がTHAAD報復を中断するために後退したと信じている。もしかすると習近平国家主席は中国を訪問するトランプ大統領に道理をわきまえた人物として映ろうとしたのかもしれない。

  あるいは、文在寅政権と関係を強化し、文大統領の対北朝鮮政策に力を与えることが長期的に利益になると判断したかもしれない。しかし中国に向かう多数の専門家の視線は冷たい。北京は今回、韓国の外交政策に対する新しい圧力手段と、さらに新しい「レッドライン」を効果的に確保した。

  私の考えはこうだ。韓国・米国・中国に共同の目標は非核化だ。しかしいかなる戦術を使うかについて3カ国の見解は異なる。米国は今後も文在寅政権の意図を誤読することが少なくないだろう。ティラーソン米国務長官とマティス国防長官は米国は交渉を好むと繰り返し明らかにした。しかしトランプ大統領はしだいに忍耐心を失っている。文大統領がやや右側に動いたのは確かだ。しかし文大統領は対北朝鮮関与政策に対する信頼を失わなかった。また、その信頼を強行するほどの支持基盤を確保した。文大統領の見方は中国側に近い。トランプ大統領のアジア歴訪がいかなる最終結果をもたらそうと、確実なのはソウルと北京とワシントンの戦略が一致するのは容易でないという事実だ。

  ステファン・ハガード/サンディエゴ・カリフォルニア大(UCSD)客員教授

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