ボルボ建設機械コリアやＧＥ超音波コリアなど外資企業が沈滞する韓国経済を支える役割をしている。大韓貿易投資振興公社（ＫＯＴＲＡ）によると、国内に進出している外資企業は約１万５０００社（２０１３年末基準）。韓国全体産業の売上高に占める外資企業の比率は１３％だ。製造業に限定すれば全体の売上高のうち１９．７％が外資企業から生じる。ＧＥ超音波コリアの場合、過去５年間に計９９７１人の雇用創出効果と１兆４４２２億ウォンの生産誘発効果をもたらしたと推定される。

外資企業の存在は沈滞する商圏を活性化する効果もある。いわゆる「イケア効果」が代表的な例だ。２０１４年末にグローバル家具企業のイケアが光明市（クァンミョンシ）に１号店を出して以来、周辺の商圏にもプラスの影響を及ぼしたという研究結果が出た。

外資企業が地方自治体への流入人口を増やし、人口減少を防ぐ役割もしている。外資企業の問題処理・投資誘致システムなど積極的な投資誘致策を展開している忠清南道がそうだ。忠清南道の２０１４年の人口成長率は前年比０．７２％と、同じ期間の全国平均（０．３６％増）の倍だった。

しかし韓国の経済規模を勘案すると、外国人直接投資は依然として少ないという指摘がある。ＫＯＴＲＡや産業通商資源部が外資企業誘致のために注力する理由だ。国連貿易開発会議（ＵＮＣＴＡＤ）によると、韓国の国内総生産（ＧＤＰ）に対する外国人直接投資累積額はＧＤＰの１２．８％と、欧州連合（ＥＵ）平均（ＧＤＰの４９．６％）を大きく下回る。２００８年の金融危機の後、早期回復に成功したアイルランドはこの比率が１４９．８％にのぼる。アイルランドの４大輸出企業はグーグル（１７０億ユーロ）、マイクロソフト（１５０億ユーロ）、ジョンソン・エンド・ジョンソン（１０５億ユーロ）、ファイザー（５０億ユーロ）などすべて外国系多国籍企業だ。

外国から入る投資金額より国内から海外に出ていく投資金が多い点も問題だ。ＫＯＴＲＡによると、２０１４年末基準で韓国の海外直接投資申告金額は３５０億７０００万ドルと、外国人の韓国内直接投資申告金額（１９０億ドル）の２．５倍にのぼる。こうした状況が続けば「産業空洞化」現象が生じるという懸念もある。

キム・ジュヒョンＫＯＴＲＡ専門委員は「全世界のＧＤＰに対する外国人直接投資累積分は３３．６％と、韓国の２．６倍」とし「世界平均ほど外国人直接投資が増えれば、潜在成長率が回復するほか、ドイツやアイルランドに劣らない成長動力を持つことになるだろう」と述べた。


＜韓国経済を育てる外資企業＞（上）ボルボ建設機械コリア、売上４倍成長（１）