内政はもちろん、外交安保を一度見てみよ。中国の台頭と日本の歴史修正主義は韓国に新しい外交安保時代が始まったことを告げている。事件が起きるたびに対応する対症療法では困る。ヒラリー・クリントン元米国務長官の話のように、新しい「組織原理（ｏｒｇａｎｉｚｉｎｇ　ｐｒｉｎｃｉｐｌｅ）」を必要としている。内政も同じだ。人事の失敗による国政混乱、セウォル号事件、相次ぐ兵営暴力事件などは国家がいったい何ができて、また何をしなければならないかに対する根本的な再点検を要求しているのだ。

今、割れたまま修理されていない窓は、国民の間に深刻な不信感を作っている。いったい誰を、そして何を信頼できるかということだ。不幸にも、正解は何もないということだ。政界は言うまでもなく国家機関に対する国民の信頼度が底だという世論調査を見よ。国科捜の調査結果さえ信じない民心だ。

本当に心配に違いない。国民は今、政治や政治家たちから得るものが何もないということを知っている。それでも果たして自分たちが本当に何を望んでいるのかも確実ではない。支えになる場所を見出せず、ただ漂流して不信に思っている姿だ。

国家や政治に対する信頼の不在は独裁政権では特別問題にならない。テロと世論操作で統治が可能なためだ。だが民主国家では国民の信頼なしには効果的な国政運営が不可能だ。それで政治はこの漂流して不安に思う国民が支える場所を至急作り出さなければならない。

国がどうなりつつあるかを知ろうと思う時、国民は自然と大統領を見つめることになる。大統領は「動く国（ｎａｔｉｏｎ－ｉｎ－ａｃｔｉｏｎ）」そのものだからだ。それで今、朴大統領の国家改造に私たち皆の注目が集まっている。一日でも早く「割れた窓」が修理された新しい国で生きたいからだ。

張達重（チャン・ダルジュン）ソウル大学名誉教授・政治学


【中央時評】「割れた窓」をこれ以上放置してはいけない＝韓国（１）