【時視各角】トランプが非核化を急いでいるだって?
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.18 14:58
人間はもともと自己中心的だ。自分の立場から世の中を見ようとする。北核問題も同じだ。自分たちの命がかかっていることで、他の人も千金のように感じていると信じてしまう。「ドナルド・トランプ米国大統領は11月の中間選挙で勝つために何とかして北核問題で具体的成果を出そうとする」という主張が真実のように出回っているのもそのためだ。かなりもっともらしく、「米国と北朝鮮がまもなくビッグディールをする公算が大きい」という論理もここから派生している。
果たしてそうだろうか。最近、ワシントンに行って戻ってきた韓半島(朝鮮半島)専門家は首を横に振る。「今回の中間選挙で北核は主なイシューではない」と断言する。有力世論調査会社が1000人に「今回の選挙イシューは何か」と尋ねたところ「北核」と答えた回答者はたった3人だけだったという。今年6月に実施された米NBC世論調査によると、今回の選挙の最大イシューは健康保険問題。続いて経済・銃器規制・税金・移民の順だった。すべて国内問題だ。地域で活動する上・下院議員を選ぶのに、北核イシューが分け入る隙がないということだ。
トランプが北核問題を利用するときがあるとすれば、それは自身の再選のときだと考えたほうがいい。年内に交渉を終えて来年に非核化手続きを終わらせた後、2020年大統領選挙時に北核解決を明らかにするというシナリオだ。今月5日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が韓国特使団に「トランプの最初の任期内に『完全な非核化』をする」と発言したことも、このためただならぬ響きがある。