マラリアを15分で判別、3D義足…世界を駆ける韓国のスタートアップ(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.01.04 10:28
マラリア、蚊に刺されて発生する急性熱性伝染病だ。毎年60万~70万人がこの病気で死亡する。死亡者の90%がアフリカと東南アジアなど開発途上国に集まっている。治療するには早期診断が重要だ。診断は顕微鏡でするが、1時間ほどかかる。だが韓国のスタートアップ「ノウル」が開発したモバイル装置を使えばわずか15分で結果がわかる。同社のイ・ドンヨン共同代表は「既存製品より検査方式が速く手軽だ」と胸を張る。イ代表はソウル大学バイオメディカル研究院出身で、アフリカのマラウイで1年間ボランティア活動をした。この時、第三世界を助けられる方法を考え、高校の同窓生のイム・チャンヤン代表とともに会社を作った。目標は「マラリア救済」とした。彼らはカンボジアの農村に通いマラリア診断キットを供給する。
ノウルはモバイル診断キットのおかげで昨年6月にニューヨークの国連本部で開かれた「国連科学技術革新フォーラム」で「注目される15のイノベーター」に選ばれた。これに先立ち政府無償援助専従機関である韓国国際協力団(KOICA)は2015年に「創意的価値創出プログラム(CTS)」の1期チームとしてノウルを選定した。総額3億ウォンを支援し試作品の完成を助けた。
この数年で青年創業は大幅に増加した。多様なアイデアを持つ創業家が個性の強いスタートアップを設立している。この中には既存の創業者と別の方向から社会を見つめる人たちもいる。韓国ではなく海外、それも第三世界がメイン市場だ。アイテムも格別だ。社会とともに成長できる独特のアイデアを持って創業する。会社設立目的自体が第三世界の社会的弱者支援だ。