国内でも新型インフルエンザ感染で2人の死亡者が発生した。衝撃的なことだ。これまで国内では新型インフル感染患者の大部分が完治している上、重症患者や死亡者がなく、警戒心が緩かったのは事実だ。しかしいまや韓国も新型インフルの安全地帯ではないことが確認されたのだ。
今回の新型インフルの死亡者発生過程は、保健当局と医療機関の対応体制で深刻な弱点が示されたという点で懸念を禁じ得ない。初の死亡者となった50代の男性の場合、症状発生後1週間近く保健所と病院を転々としたが、新型インフルという診断と抗ウイルス剤の投薬が遅れた。きのう死亡した60代の女性も3つの病院を回り肺炎の治療だけ受けた。保健当局は先月に「予防中心」の新型インフル防疫を、「早期治療中心」に転換した。その上で医療機関が個別の患者管理を徹底して行うよう、「新型インフル診断基準」を送った。しかし今回のケースで見るように、診断基準は現場でしっかりと守られていなかった。医療機関は新型インフルに対する備えが依然不十分で、保健当局はそうした医療機関に性急に個別管理を任せたのだ。
いまからでも防疫当局をはじめすべての国民が気を引き締めなくてはならない。患者が2000人を超え感染経路がわからない地域社会の感染ケースが増えているためだ。団体生活をする軍部隊や学校の集団感染状態も普通ではない。軍人80人余りがすでに新型インフルに感染し、きのうは大邱(テグ)の女子高で生徒8人が新型インフルに感染していたことが確認された。来週から新学期が始まれば患者がさらに増えないか心配だ。