【時論】米国の関税爆弾に対する韓国の姿勢

【時論】米国の関税爆弾に対する韓国の姿勢

2017年12月07日15時25分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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米国の関税爆弾に対する韓国の姿勢
  先月下旬、米国国際貿易委員会(USITC)は米国に輸入される家庭用大型洗濯機に50%の関税割当(TRQ)を含むセーフガード(緊急輸入制限)措置を政府に勧告した。この勧告案に明示された関税割当とは、輸入品に賦課される関税と一定水準の輸入量を規制するクオータ(quota)が複合した貿易政策だ。すなわち一定のクオータ物量を設定しておき、それより少なく輸入される場合は関税を賦課しなかったり低い関税(in-quota rate)を適用し、クオータより輸入物量が多ければ高率(out-of-quota rate)を賦課するという貿易政策だ。

  今回の勧告案は、洗濯機120万台をクオータとし、これ以上なら50%の関税を賦課するという内容だ。このほか洗濯機の部品に対しても5万個のクオータを設定した。この勧告案が採択される場合、クオータ超過分に対しては50%の関税が賦課され、輸入抑止効果が発生する。サムスン・LGなど韓国の洗濯機製造企業の打撃が避けられない。

  このような強硬な措置は、5月に米国の洗濯機製造企業ワールプールがグローバルセーフガード請願を出して始まった。ワールプールの主張はサムスン・LGが反ダンピング措置を避けるために生産基地をベトナム・タイなどの他国に移した後、これを利用して米国に輸出しているということだ。

  今回の通商摩擦には3つの注目する点がある。1つ目、米国が反ダンピングでなくグローバルセーフガード措置を選択したという点だ。これは韓国で作られた洗濯機だけでなく、韓国のグローバル化した生産基地で生産された製品全体を対象としているという意味だ。世界から米国に輸入される洗濯機を対象にするグローバルセーフガード措置だが、事実上そのターゲットは韓国洗濯機製造業者だ。

  2つ目、セーフガードで追加の関税賦課や一時的な輸入禁止でなく、関税割当を選択したという点だ。今回の事案に関連し、米国国際貿易委員会の内部でクオータ内の物量に対する関税はなしにしようという意見と20%賦課しようという主張に分かれたという。ただ、クオータ設定である程度の輸入は許容するという方針は、2002年の米国の鉄鋼セーフガード採択後に発生した深刻な通商摩擦を今回は避けると同時に、米国消費者の利益も考慮した結果と判断される。

  3つ目、洗濯機だけでなく部品まで含まれたという点も注目する必要がある。洗濯機部品にセーフガードが賦課されれば、米サウスカロライナ州、テネシー州に建設中の韓国企業の米国現地工場も米国産部品を多く使用しなければならないため、国内協力会社の追加の被害が発生する可能性がある。

  今回の勧告案が採択するかどうかをトランプ大統領は来年2月初めまでに決定する。韓国政府は以前に現地工場を建設している州の関係者らと協力し、米政府が否定的な決定を出さないよう積極的に働きかけなければいけない。もしセーフガード措置が採択される場合、2002年の米国鉄鋼セーフガード当時のように、利害関係が似ている国と力を合わせて世界貿易機関(WTO)に提訴するべきだろう。ブッシュ政権当時の鉄鋼セーフガードに韓国はEU・日本・中国・カナダ・ブラジル・ニュージーランドなどと協力してWTOに提訴し、パネルおよび上級委員会でともに勝訴した。したがって国際協力でWTOに提訴した後、米国生産業者の被害の有無と、輸入増加および被害の間の因果関係などに焦点を置いて、韓国の立場を積極的に示す必要がある。

  この時に懸念されるのは、多者貿易体制に反感を抱いているトランプ政権の反応だ。トランプ政権はその間、WTOの多者貿易体制が中国の不公正貿易行為を規制するのに効率的でなく、むしろ紛争解決機構の決定により米国の通商政策が毀損されるケースが多かったと信じている。今後もトランプ政権は洗濯機だけでなく太陽電池・鉄鋼・アルミニウムなどに対して一方的な通商政策をとる可能性が高い。

  こうした措置に対してWTOの紛争解決機構が米国に不利な決定をする場合、これに従わない実験を断行する可能性もある。この場合、WTO提訴を通商摩擦解決手段の最後の砦と信じている韓国としては非常に厳しい状況を迎える。

  これから我々が考えるべきことは、多者貿易体制が規範を中心に運営されず国際政治的な力学関係で動く場合、どのように通商摩擦を解決するかだ。政府が一日も早く長期的な対策の準備に入らなければいけない理由はここにある。

  カン・ムンソン/高麗大国際学部教授

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