【コラム】外交舞台で経済力を振るう中国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.10.31 10:06
中国は東南アジアに対しても経済力をテコに使っている。昨年春、南中国海(南シナ海)スカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺海域での中国漁船違法操業問題で、フィリピン軍艦と中国巡視船が海上で対峙した。中国は翌週に行われた米国・フィリピン軍事訓練に不満を表した。2012年5月、中国はフィリピン産果物の輸入を封鎖した。表向きの理由は、フィリピンから輸入したバナナとパイナップルから害虫が発見されたということだった。実際、バナナはフィリピンで貿易規模が2番目に大きい農産物だ。問題は、このように精密検査を受けるフィリピン産果物がマンゴー・パパイヤ・ココナッツと増え、ほとんどすべてのフィリピン産農産物に拡大した。これは北京が送る報復のメッセージであることは明らかで、こうした措置はフィリピン経済界が政府に中国の要求を聞き入れるよう要請する事態につながった。
2010年12月にノルウェー・ノーベル委員会は中国の反体制活動家の劉暁波氏をノーベル平和賞受賞者に選んだ。これに怒った中国政府はノーベル委員会に再考を要請した。しかしノーベル委員会はこれを受け入れるどころか、授賞式を操り上げて開催し、かの有名な「空いた椅子」を劉暁波氏のために残した。中国も反応した。静かにノルウェー産サケの輸入を中止し、進行中だった自由貿易交渉の中断を通知した。ノルウェーは数年間、魚類の輸出で利益を得ていた。特に魚類需要が50%も増えた中国で大きな利益を出していた。中国の輸入中断措置でノルウェー産サケの販売は62%も減少し、中国は元ノルウェー首相の訪問ビザ発給も拒否した。