リコール問題後、トヨタは整頓システムの活用をより一層推奨している。工場内６８００人余りの従業員が１日１万回以上これを作動する。その時ごとにラインが止まるが、「品質が最も重要だ」という哲学がこれを可能にした。この日工場で会ったケンタッキー・ミシシッピ工場のスティーブ・アンジェロ最高経営責任者（ＣＥＯ）は、「トヨタの最も特別な点は人に対する尊重であり、これは従業員から直接改善案を受けることを意味する。すべての従業員は必要な時にラインを止められるし、問題解決の中枢役割をする」と話した。

ケンタッキー工場は車の欠陥が主に下請け業者から納品を受けた部品で発生するという分析により供給企業に対する管理を以前より３倍以上強化したという。また、新型カムリの安全性確保のためプロトタイプ車両を過去の２倍水準の１００台以上製作して各種テストを実施した。以前は数学的データに基づいたシミュレーションを多く行ったが、リコール事態以後は「基本に戻らなければならない」という原則にまた視線を転じたのだ。ケンタッキー工場が出したもうひとつのニューカムリ成功要因は絶え間ない従業員教育だった。ウィル・ジェームズ社長は、「リコール事態と大地震という悪夢の中でも私たちは従業員を１人も解雇しなかった。むしろ教育を強化して安全に対する責任性を高めた」と話した。
来年韓国に投入される「カムリ」を生産するトヨタ米工場を行く（１）