子どもの面倒見ていた朝鮮族のおばあさん、実は…=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.06.25 09:11
#事例1=ソウル・江南(カンナム)地域で住み込みでベビーシッターをしていた63歳の女は韓国語もうまく性格も気さくで主人の家の信任を得た。5年間彼女の手で育てられた子どもは「おばあさん」と呼んでなついていた。だが、まじめに見えたこの女は先月検察に捕まった。にせの戸籍で身分を偽り韓国にきたことが確認されたからだ。女性は暴力団を動員して前夫の金を奪い懲役2年6月執行猶予3年を宣告され強制退去させられた前歴があることが明らかになった。
#事例2=1999年に産業研修ビザで韓国に入国した44歳の男は研修期間が終わった後も中国に帰らずに勤務地を離れ不法滞在することを選んだ。隠れて過ごした男は2003年に飲み屋の女性従業員を家に呼んだ後刃物で脅して暴行した。懲役2年6月に執行猶予3年の判決を受けた男は強制退去措置を受けたが、中国でブローカーを通じて名前と生年月日を変えた後2006年に再入国し韓国国籍まで取得した。
韓国で凶悪犯罪を犯して追放されながら身分を偽って再入国した朝鮮族が大量に検察に捕まった。
ソウル中央地検外事部は4~6月に法務部出入国移民特殊調査隊と共同捜査した結果、身分偽装者130人を摘発し、このうち11人を拘束し15人を在宅で立件、4人を指名手配したと24日に明らかにした。この中には韓国で職場の同僚とけんかして刃物で首を刺し殺害しようとしたケースや、覚醒剤の密輸入、強姦未遂などの凶悪犯罪者も含まれた。
検察は今回摘発された130人のうち114人は2007年1~9月に韓国に入国し帰化まで終えた朝鮮族9万4000人に対する「顔認識システム」の調査で摘発し、残り16人は2003~2011年に凶悪犯罪で強制退去させられた中国人800人余りに対する再入国点検で追加摘発したと説明した。検察は2012年5月現在で139万人に達する韓国在住外国人に調査を拡大する場合、身分洗濯犯は1000人を超えるとみている。
犯罪の前歴で強制追放された場合、原則的に韓国への再入国は不可能だ。それではこうした身分偽装が可能だった背景は何か。検察によると彼らは名前と生年月日を変え新しい戸籍を作る方式で関係当局の取り締まりを逃れていた。
中国の戸籍管理がまだ電算化されない点を利用し、ブローカーに400万~500万ウォンを渡して韓国の住民登録簿に相当する戸口簿を操作したと調査された。彼らのうち一部は新たに発給を受けた旅券で再入国した後に韓国国籍や永住権を取得したりもした。韓国で外国人指紋確認制度が2003年12月に廃止された点も彼らの身分洗濯を容易にした。
検察関係者は「今回の取り締まりは最近水原(スウォン)で発生した中国籍朝鮮族による殺人事件など外国人凶悪犯罪が増加しているのに伴ったもの。今後中国だけでなく他の国の国籍者などに対しても取り締まりを拡大する方針だ」と明らかにした。