【時視各角】3週間後の大韓民国

【時視各角】3週間後の大韓民国

2017年04月20日09時43分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  これはただの想像だ。現実では決して起こらないだろう。

  2017年5月15日。朝から文在寅(ムン・ジェイン)大統領の青瓦台(チョンワデ、大統領府)は活気が流れていた。きょうは国会で首相承認採決がある日だ。大きな無理なく通過するだろう。先週の聴聞会も要式行為のように過ぎ去った。国民の党、正しい政党だけでなく、保守の嫡統を主張する自由韓国党も大きく反発できなかった。聴聞会はうやむやに時々称賛の言葉が出てくる程度だった。メディアでは最初から「通過儀礼」という見出しを選んでいた。鋭い攻撃も、無条件で国政の足を引っ張る野党の姿もなかった。もっとも事実上国民投票で当選した首相ではないのか。

  振り返れば金鍾仁(キム・ジョンイン)首相はそれこそ神の一手だった。投票1週間前に文在寅は勝負の賭けに出た。「当選すれば金鍾仁を首相に迎える」と公約したのだ。彼と任期を務めるものであり、憲法が規定した責任首相の権限を保障するとした。これを投票を通じて国民の意思として確認を受けると言った。事実上米国大統領選挙のランニングメイト副大統領のように迎えるといった。トランプ大統領が自身の弱点を補完するために「完璧な保守主義者」と呼ばれたマイク・ペンスをランニングメイトに迎えたのと同じだった。

  ぴったり追い上げてくる安哲秀(アン・チョルス)候補を引き離すための強気の攻めだった。選挙戦が本格的に始まった4月中旬に文在寅は核心スローガンだった「積弊清算」を清算し、代わりに大統合・協治を語ったが中道・保守の投票者の心はぴくりともしなかった。ベレー帽をかぶって安保を叫んだが「情緒的親北主義者」という強固なレッテルは簡単に剥がせなかった。その上安哲秀も安保と協治をさらに強く語っていた。思い切った一発、差別化が必要だった。

  協治の証拠は何か。人だ。統合という言葉を信じさせるにはどうすべきか。結局人事だ。積弊清算の真正性は「私の中の積弊から清算する時」に出てくる。協治の王道は敵(相手)の人まで重用することだ。経済民主化のアイコン金鍾仁は安保保守の象徴でもある。文在寅の独善が嫌いだとして党を飛び出て行った「敵」でもある 彼を三顧の礼の末に迎えたことで事実上大統領選挙レースは幕を下ろした。その後は道理に従って流れた。金鍾仁は新保守の適者に浮上した劉承ミン(ユ・スンミン)を経済副首相に指名した。劉承ミンの経済哲学は「共に民主党」と大きく異ならなかったためだ。

  文在寅は崩れた4強外交復元も協治で始めた。安哲秀候補に中国特使を、潘基文(パン・ギムン)に米国特使を頼んだ。官庁改編は最小限に減らした。閣僚任命も順調に進行中だ。早ければ今月中に組閣が終わるところだ。投票前の多くの懸念は取り越し苦労に終わった。「迷惑でも朴槿恵(パク・クネ)政権の閣僚らと最小2~3カ月は同居しなければならない。野党が足を引っ張り閣僚任命どころか政府組織改編もできない大きな国政混乱が続くだろう。首相任命だけで年を越えるかも知れない。安保不安に太極旗部隊が連日光化門(クァンファムン)広場を埋めデモを行うだろう」。金鍾仁国民投票首相がこのすべての懸念を鎮めたのだ。はじめて大韓民国の政治に一筋の光が見えるようだった。文在寅の口元にも微笑が浮かんだ。

  もう一度言うが、これはただの想像だ。現実は大きく異なる。文在寅は4月の候補受諾の時も「シャドーキャビネット(影の内閣)を作り国政混乱期間を最小化する」と約束した。陣営内の雰囲気から見てその約束は守られない可能性が大きい。陣営関係者は「首相・閣僚の人選は時期尚早。狙う人が多く話も切り出しにくい」と話した。さらに人選を先送りするのが拡張性にも役立つ。こうした実情のためランニングメイト首相は最初から考慮対象ではないだろう。

  今回の選挙は違う。初めて行われる野野戦争だ。結局拡張性で勝負が決まるだろう。ランニングメイト首相は現実を知らない白面書生のとんでもない想像かもしれない。だが政治は生き物、想像力の芸術と言わなかったか。できないことはないだろう。言葉ではなく行動で相手を抱きしめる候補、100%大韓民国を実践する候補、それがだれでも私は彼に1票を投じたい。

  イ・ジョンジェ/中央日報コラムニスト
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