<趙英男の日本文化ルポ>1.映画『ホテルビーナス』の衝撃
歌手、趙英男(チョ・ヨンナム)氏の「日本文化ルポ」を5回にわたって掲載する。趙氏は最近、日本国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の招待で、日本各地の文化行事を体験し、様々な関係者に会った後、帰ってきた。同氏の厳しい視線は、日本に対し依然として閉ざされている「韓国の自画像」にも向けられている。
日本国際交流基金の招待で日本を訪問しながら、私は、新たに「日本とどう付き合っていくべきか」について真剣に考えてみた。今回の訪問が、韓日関係に関する私の考え方にまで大きな影響を与えるとは、予測できなかった。考えてみると、私の場合は独特だった。あれだけ遠い国の米国は、わが家のように行き来していながら、いざ隣の日本とは向かい合うのを忌避していた。いや、憎んでいたというのが適切な表現だ。それが、韓国の「憂国青年」の本分に思えたからだ。私だけでなく、誰もがそうだった。