韓経:北核談判も「米国優先主義」…同盟を揺さぶる「トランプショック」

韓経:北核談判も「米国優先主義」…同盟を揺さぶる「トランプショック」

2018年06月14日11時02分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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  12日にシンガポールで開催された米朝首脳会談の飛び火が全く予想できなかったところに向かっている。北朝鮮の非核化に圧力を加える決定的な契機になるという期待とは違い、韓米同盟の亀裂という衝撃として近づいてきたのだ。

  トランプ米大統領はこれまで公言してきた「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)」の代わりに突然「韓米連合訓練中断」という爆弾発言をした。この過程で、北東アジア地域の戦争抑止のための韓米間の努力が戦争演習を意味する「ウォーゲーム」に化けた。

  結果的にトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がやり取りした内容はすべて米国に有利であり、韓国には負担や損失となる公算が大きい。外交専門家らは今後の米朝交渉でも韓米同盟が後まわしにされ、米国の利益ばかりを優先する「アメリカファースト」非核化として進行することを懸念した。

  米国内でも批判が続いた。ニューヨークタイムズは「北朝鮮に対する大きな譲歩であり危険なギャンブル」と指摘した。ワシントンポストは「米韓が共に訓練しなければ共に戦うことはできない」とし「在韓米軍は北朝鮮との交渉の対象でない」と強調した。しかしトランプ大統領にとって韓米同盟は「コスト削減」のためのカードにすぎないようだ。韓米訓練の中断と在韓米軍の撤収で米国の費用を減らすことができるという計算だけだ。

  12日の米朝首脳会談は、米国と北朝鮮が非核化と体制保証を交換する席だった。米国が北朝鮮から非核化の約束を受け、反対給付として北朝鮮体制の安全を約束する交渉だった。結果的に、非核化合意はあいまいだったが体制保証は具体的だったという評価が多い。客観的にみると米国が損をする商売をしたが、トランプ米大統領は合意書に署名して「非常に良い」という言葉を連発した。その理由について疑心を抱くしかない。

  ◆損するものがない米国

  米国は合意書に「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)」を入れず、北朝鮮に多くを譲った。合意文に非核化は抽象的に入れた半面、「体制保証」という文言は明示した。またトランプ大統領は韓米連合訓練中断と在韓米軍撤収の可能性に言及した。ほとんどの海外メディアが「今回の会談は金正恩国務委員長の勝利」と評価した理由だ。

  しかしトランプ大統領は「立派な交渉をした」と自負した。米国には利益であるからだ。韓国にとって韓米連合訓練と在韓米軍は韓米同盟の象徴であり最後の砦だが、米国としては「金を食うもの」だ。米国人が出す税金を減らすためには訓練を減らして在韓米軍の規模を縮小する必要がある。そうでなければトランプ大統領の言葉のように韓国にさらに多くの費用を負担させるしかない。結局、韓国との交渉カードとして活用できるという点で金正恩委員長が要求した韓米連合訓練中断を受け入れ、在韓米軍撤収の可能性に言及したという解釈が出てくる。

  ミサイル試験場廃棄も「アメリカファースト(米国優先主義)」に立脚した措置と評価される。トランプ大統領は米朝首脳会談後の記者会見で「金正恩委員長からすでにミサイルエンジン試験場を破壊しているという言葉を(合意文)署名後に聞いた」と述べた。今回の会談で出てきた非核化措置のうち唯一具体的だったが、あくまで対米向けだ。すべて米国を狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)試験場である可能性が高いからだ。一方、韓国に脅威となる中短距離ミサイルや核弾頭、核物質は会談で後まわしにされた。共同合意文のうちほとんど唯一の具体的な内容である米軍兵士の遺骨収集も米国が要求してきた内容だ。

  ◆韓国負担の費用ばかり増える?

  トランプ大統領は非核化の初期成果物を得るのに大きな関心を向けたが、費用の責任は避けた。その代わり負担の主体として韓国と日本を挙げた。トランプ大統領は記者会見で「北朝鮮の非核化に必要な費用は誰が出すのか」という質問に「韓国と日本がかなり支援すると考える」と述べた。続いて「米国は助けなくても良いと考える。これまで別のところで多くの代価を支払った」と述べた。

  しかし韓米連合訓練中断と在韓米軍撤収について韓国をはじめとする周辺国と全く議論していなかったことが分かった。「米大統領が同盟国にあらかじめ知らせず北朝鮮指導者に軍事訓練を中断すると述べたのは驚くしかない」(マイケル・グリーン米国際戦略問題研究所副所長)という反応が出てくるほどだ。

  8月に予定された乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)演習をはじめ、主な韓米連合訓練は延期される可能性が高まった。韓米軍当局は緊急協議チャンネルを稼働し、連合訓練計画を変更する案を議論中と伝えられた。14日の南北将官級軍事会談でこの問題が議論される可能性がある。

  米国内でも「トランプ式非核化」に対する懸念が出ている。ニューヨークタイムズ(NYT)はこの日、「韓米連合訓練は韓国の対北朝鮮防御で砦のような韓米同盟の核心的な部分だった」とし「トランプ大統領の発表は、北朝鮮が実際に核兵器を廃棄する前に米国が譲歩したという懸念をもたらしている」と指摘した。ワシントンポスト(WP)は「韓米連合訓練の中断は基本的に中国の『双中断』(北朝鮮核・ミサイル挑発と韓米連合訓練の中断)要求に同意するものだ」と強調した。

  実際に訓練を中断するかどうかについても論争がある。米上院外交委員会東アジア太平洋小委員長のガードナー共和党議員はこの日、「ペンス米副大統領が定期的な準備態勢に該当する韓米連合訓練は続くと述べた」と伝えた。また「特定の訓練は続くだろう」とし「それ(ウォーゲーム中断)が何を意味するのかがさらに明確になればよい」と述べた。
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