韓経:韓国政府の支援「ゼロ」…基礎研究すら中断の危機
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.02.05 09:47
中国はハッキングが不可能な量子暗号通信を利用して7600キロメートルに達する大陸間通信に成功したと先月に公開した。2016年に世界で初めて量子暗号通信実験衛星「墨子号」を打ち上げたのに続き、昨年には1200キロメートルの距離の交信に成功するなど段階的に技術を引き上げる「量子崛起」にスピードを出している。韓国でも初歩段階だが無線量子暗号通信実験が行われた事実が確認された。韓国科学技術研究院(KIST)量子情報研究団は昨年12月に京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)の韓国ナノ技術院で50メートル離れた送信機と受信機の間で100キロビットの速度で量子の一種である光子信号をやりとりするのに成功した。韓国国内ではSKテレコムが112キロメートルの距離で量子暗号通信を成功させたことがある。当時の実験は光通信網を利用したもので、無線通信方式で成功したのは今回が初めてだ。
◇無線量子通信、第1歩踏み出してすぐ「中断危機」
量子暗号通信は光子(量子の一種)の特性を利用して暗号を解く秘密鍵情報を載せて送る技術だ。だが光ファイバーを利用した有線通信方式では平均100キロメートルまでしか信号を伝達できない。さらに遠方と交信するにはリピーター(中継機)や人工衛星を利用しなければならない。中国をはじめ米国と日本は安保とセキュリティ目的で無線量子暗号通信に莫大な資金を投資している。だが韓国では無線量子暗号通信分野に今年の新規研究費が1ウォンも配分されなかった。韓国政府が「量子情報通信中長期技術開発事業」の予備妥当性調査をしながら「経済性がない」という理由で事業を縮小した上に検討まで遅れ今年の予算配分を受けられなかったためだ。無線量子暗号通信を先取りするには動く車両や航空機と交信する試験をはじめ、衛星や天文台を利用した研究が必要だが追加計画は決まっていない。