予防点検も短縮、大停電を防ごうとフル稼働…韓国原発のジレンマ(1)

予防点検も短縮、大停電を防ごうとフル稼働…韓国原発のジレンマ(1)

2012年10月31日09時09分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  原発の拡大か縮小か。韓国が「原発ジレンマ」に陥った。慶尚北道慶州の月城1号機が29日夜に故障で停止したからだ。1月と9月に続いて今年に入って3回目だ。今年の原発の故障は計9件。3件に1件が月城1号機で起きている。月城1号機は来月、設計寿命(30年)を迎えるが、延長を推進している。「老朽原発」の象徴的存在でもある。前日の28日には慶尚北道の蔚珍1号機が止まった。連日、事故が発生し、不安感も強まっている。

  原発の故障は主に変圧器・電力制御素子などの異常のためだ。韓国水力原子力(韓水原)の処方は「部品交換」だった。韓水原は30日、「国内原発1基当たりの故障件数は2006-2010年、年平均0.39件にすぎない」と安全性を強調した。フランス(3.3件)、米国(0.9件)より少ないということだ。

  問題は電力が必要な時に集中的に事故が発生している点だ。今年9件の故障のうち、夏季の電力消費が急増した7月以降が8件にのぼる。整備期間は短くなったが、停電を避けようと原発をフル稼働し、無理が生じたという分析が出ている。権恩嬉(クォン・ウンヒ)議員(セヌリ党)は「各原発に計画された“予防整備”期間が大幅減り、故障が増えた。2000年には平均50日だった整備期間が昨年は31日に減った」と指摘した。

  環境団体は部品交換が“一時しのぎ”にすぎないと主張している。イ・サンホン慶州環境運動連合事務局長は「月城1号機のように問題が多い原発は早く閉鎖し、原発に依存する電力政策も稼動率を減らす方向に変更する必要がある」と述べた。23基の原発の全面的な見直しを要求する声もある。

  選択は容易ではない。冬季の停電危機が目の前に迫っている。来年1月の寒波で最大電力需要は8000万キロワットと予想されている。供給能力は8200万キロワットだ。月城1号機の発電容量は70万キロワット。この規模の原発2基が停止すれば直ちに「停電事態」となる。昨年9月のような大停電が再発すれば、11兆ウォン(約800億円)以上の被害が発生する。韓国は電力問題で“離れ島”だ。電気が足りないからといって欧州のように隣国から借りてくることもできない。

  原発は最も安いエネルギーだ。このため政府は現在34%の原発の比率を2030年までに58%に増やそうとしている。日本は昨年3月の福島原発事故後、原発の稼働を中断した。その代価は大きかった。対外取引用の外貨が底を突いた。今年上半期貿易収支は45兆ウォンの赤字で、過去最悪となった。火力発電用の原油・液化天然ガス(LNG)輸入がそれぞれ26%増、11%増となったからだ。
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