隠遁強いられた北朝鮮ロイヤルファミリーの女性たち…権力の中心に立った(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.10.11 14:46
だが、これは金与正の極めて一部の姿に過ぎないというのが対北朝鮮情報当局の判断だ。金正日関連の行事の企画・進行はもちろん、政策決定過程まで介入する情況が確認されたためだ。韓国国家情報院は昨年10月、国会情報委の報告で「金与正が幹部のささいなミスもその都度処罰するなど権力を乱用している様子がみられる」と指摘した。兄の後光を借りた金与正の強気の活動は各方面で確認されている。ことし4月、平壌のニュータウンともいえる黎明通りの竣工式には中将(星2つで、韓国の少将に該当)級の軍幹部に指示を与える様子が確認された。平壌権力層の間では「与正同志を経なければ良いことがない」という言葉が出回るほどだともいう。李雪主との権力争い説もあるが、対北朝鮮情報関係者は「李雪主の行事出席と動線も金与正が企画したものに伴って動いている構造」と説明した。
金与正は今月7日に開かれた労働党第7期2次全員会議で政治局候補委員に上がり、順調に昇進している。60~70代が主軸の政治局に20代という若さの金与正が入ったのは労働党72年史で前例のない出来事だ。叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ、金正日の妹)が66歳だった2012年に初めて政治局委員入りしたことと照らし合わせてみても同様だ。ここには「信じられるのは血だけ」という金正恩の意向が反映されているものとみられる。今回の会議は核・ミサイル挑発局面を中間点検し、執権6年目の金正恩権力を総入れ替えする場だ。労働党核心部署である党組織指導部の趙延俊(チョ・ヨンジュン)第1副部長を検閲委員長に退かせたのもこのような脈絡だ。結局、焦点は金与正が、事実上、党ナンバー2の地位に座るために合わされたといえる。