【コラム】韓国のソフトパワー「鄭明勲」(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.03.03 16:32
2015年1月にはパリにフィルハーモニーという最先端コンサートホールがオープンした。オープン記念として1・2月に世界的なオーケストラと指揮者の9つの公演を計画した。ベルリンフィルのラトル卿、ロイヤル・コンセルトヘボウのヤンソンスなどが名を連ねる中、ラジオフランスの鄭明勲を見ることができるというのは大きな喜びだった。彼の名前は1989年から25年以上もパリ・ベルリン・ウィーンなど欧州の主要都市でコリアンマエストロの代名詞だ。
クラシック愛好家にショパンはポーランドを代表し、スメタナはチェコを象徴し、シベリウスはフィンランドの存在を呼び起こす。クラシック公演界ではズービン・メータのおかげでインドがあり、グスターボ・ドゥダメルでベネズエラの音楽教育プログラム「エル・システマ」の成功的な結果が分かる。クラシック音楽はエリートの芸術であることに違いないが、大衆的な可視性が非常に高い分野だ。鄭明勲は自分の能力と芸術と人間性で激しい競争の世界で成功し、韓国はその個人によりプラスの影響を受けている。
先日からソウル市響から聞こえる雑音が残念な理由だ。誤った慣行や行為は正すべきだが、少なくとも我々が彼に計算書を差し出す時は正確である必要がある。微視的にソウル市響と個人の鄭明勲の契約という近視眼から抜け出し、民族の名声と利益という次元で巨視的に考える必要があるということだ。