【コラム】人工地震と自然地震=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.29 17:02
8月のホットイシューが史上最悪の猛暑だったとしたら、9月のインターネットとソーシャルメディアを揺るがした速報は断然、地震だった。それも人工地震と自然地震が一度に押し寄せた。北朝鮮では9日に5次核実験でマグニチュード(M)5.0の人工地震が発生した。引き続き12日には慶尚北道(キョンサンブクド)の慶州(キョンジュ)でM5.8の強震が、19日にはM4.5の地震が相次いで韓半島(朝鮮半島)を揺るがした。余震はその後も430回以上続きながら国民を不安で震え上がらせている。
人工地震と自然地震は根本的な違いがある。自然地震は縦波であるP波と横波であるS波が共に現れるが、人工地震ではS波がほとんど観測されない。爆発にともなう音波が感知されるかどうかも2つの地震を区別する主な基準の1つだ。それでも一度発生すれば莫大な被害につながりかねないという点では同じだ。徹底した事前の備えが必須である理由だ。
問題は、今回の事態を体験しながら韓国社会の災難に対する備えのシステムがどれほど脆弱なのか如実にあらわれたという点だ。特に自然地震が自然災害すなわち天災にとどまらず、再び人災につながったという点で深刻性を加えている。国民安全処は地震発生から9分後に緊急災難文字メッセージを初めて発信した。2次強震の時はソウルなどの首都圏には最初から文字メッセージを送ることもなかった。首相の最初の指示は2時間47分後に出てきた。このような政府の安易な初動対処の中で、セウォル号惨事後にあれほど強調してきた「ゴールデンタイム」は行方が分からないほどに消えてしまった。