【取材手帳】空回りする韓国の高速鉄道輸出支援

【取材手帳】空回りする韓国の高速鉄道輸出支援

2015年05月12日16時27分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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  ヨ・ヒョング国土交通部第2次官は11日、マレーシア・シンガポール出張に出発した。KORAIL(韓国鉄道公社)や韓国鉄道施設公団など鉄道関連公共機関の関係者も一緒に行った。現代ロテムが両国で13兆2000億ウォン(約1兆2000億円)規模の高速鉄道車両納品契約を締結できるよう支援するためだ。政府と公共機関が高速鉄道の輸出を支援するために一肌脱いだのは初めてだ。

  韓国とは違い、日本と中国では早くから政府と企業が一緒に動いた。中国の李克強首相は「外国に出て中国の高速鉄道を売るために広報するときは心底から力がわいてくる」とし、タイ、英国、ロシアなどで高速鉄道の受注を支援した。安倍晋三首相も海外首脳と会った席ではいつも日本高速鉄道広報大使として活躍した。中国が世界高速鉄道市場でトップ、日本が世界2位であるのには、こうした支援が大きな力になっている。一方、韓国は中国より4年早い2004年に高速鉄道を開発しながらも、一度も高速鉄道を輸出していない。

  業界専門家は「遅れたが、政府が高速鉄道の輸出で先頭に立とうとするのは幸いだ」と評価する。ただ、政府の核心の役割は別にあると口をそろえる。一日でも早く国際標準として通用する高速鉄道方式を導入する必要があるということだ。多くの国は各車両ごとにエンジンや電気モーターのような動力源がある「動力分散式」列車を好むが、韓国政府は依然として前と後ろの2車両だけに動力源を搭載した「動力集中式」高速鉄道に固執している。

  現代ロテムが2009年2月、100%の国内技術で動力分散式列車を開発したが、国内で使用実績がないため、輸出記録は一度もない。安全が最優先の高速鉄道を国内で検証されないまま輸出するというのは事実上不可能だ。独シーメンスや仏アルストム、日本の日立もすべて自国で数年間にわたり動力分散式高速鉄道を運行した後に輸出した。

  国土部は昨年9月、ようやく動力分散式高速鉄道を導入するという原則を作った。しかし発注計画は見えない。マレーシア・シンガポール政府が動力分散式を採択すれば、韓国の高速鉄道輸出はまた水の泡となる可能性が高い。出張に行く前に国土部がするべきことは他にあるということを国土部だけが知らないようだ。
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