【時論】警察の現場、初動捜査能力から育てよう=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.28 17:38
セウォル号惨事が発生して100日を超えたが、国民は再び衝撃に包まれた。検察と警察の大々的な逮捕作戦でも行方が分からなかった兪炳彦(ユ・ビョンオン)清海鎮(チョンヘジン)海運会長が、遺体で発見されたからだ。兪氏は逃走した順天(スンチョン)の別荘近くで亡くなっていたが、現場の警察の未熟な対応で単純変死体として処理されていた。遺体の腐敗が激しく国立科学捜査研究院は正確な死亡時期と原因を糾明できなかった。変死体について2度のDNA分析と指紋鑑識結果が出たにもかかわらず、遺族はもちろん国民も疑いのまなざしを向けている。いったいこの事件の捜査過程でどんな問題があったのだろうか。
まず、未熟な警察の初動捜査の問題点を取り上げざるをえない。兪氏の遺体は潜伏場所である順天の松峙斎(ソンチジェ)サービスエリア近くの別荘「森の中の思い出」からわずか2.5キロしか離れていない場所で発見された。その上、変死体の周辺には兪氏が好んで食べていたスクアレン(サメの肝油の成分、健康食品の一種)とキリスト教福音浸礼会(いわゆる救援派)で使われる文面が書かれたカバンをはじめとして遺留品が多数発見された。
だが現場に出動した警察は、誰も兪炳彦の遺体だと疑わずに無縁故の変死事件で処理した。このため警察はすぐに精密解剖検査をしなかったが、40日余りを過ぎて初めて兪氏の遺体だと発表した。こんなことで誰が捜査当局の発表を信じられるだろうか。