腕と脚がない状態で生まれた障害者の生き方を描いたエッセイ『五体不満足』の著者、乙武洋匡氏（３７）が東京都教育委員になる予定だと日本の毎日新聞が７日報道した。

毎日は「猪瀬直樹東京都知事が現在１席が空いている教育委員職に乙武氏を起用する方針を固めた」として「２０日の都議会開会の時に人事案を提出する予定」と伝えた。東京都教育委員は委員長を含め６人で、任期は４年だ。

乙武氏は早稲田大学に通っていた１９９８年『五体不満足』を出版した。「障害は不便なことだが不幸なのではない」という肯定のメッセージを込めた。日本だけでなく全世界でベストセラーになった。

卒業後、スポーツコラムなど執筆活動をしてきた彼は幼いころの夢だった教師になるために２００７年小学校教員免許を取得した。引き続き２０１０年まで東京都杉並区立小学校で３年間教師生活をした。車椅子に乗って生活する乙武氏はあごと肩の間にチョークを挟んで黒板に文字を書き、子供たちを教えた。

昨年４月に発足した「教育再生東京円卓会議」に参加して当時副知事だった猪瀬現知事としばしば対話したのが教育委員選任の契機になったと毎日は伝えた。都議会の同意を得れば教育委制度ができた１９５６年以来、最年少教育委員になる。