【コラム】10年後の韓国、日本と同じ道を歩まないようにするには(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.07.14 08:56
だが残念なことに韓国の金融競争力は先進国に大きく遅れている。金融産業の先進化は国民のリタイア準備ともつながっている。韓国の高齢者層の貧困率は世界で最も高い水準である理由も金融産業が発展できなかったためだ。投資業界に行かなければならない資金が銀行預金にだけとどまっているならば日本のように金融競争力を失うことになる。韓国の年金と退職年金の株式投資の割合は日本とともに最も低い水準だ。米国は退職年金の株式投資比率が50%に達する。韓国の多くの労働者が自身の退職年金がどのように投資されているのか知らない。労働組合も退職年金資産が株式などに投資されることを敬遠する。残念なことだ。株式投資を投機と考える人が多いほど金融産業の未来は暗い。これでは新しい成長企業が生まれる土壌が作られない。韓国版グーグルやウーバーが出てくるよう年金と退職年金の資金が投資されなければならない。
金融機関で働く人すらほとんどが自身の退職年金として会社が運用の責任を負う確定給与(DB)型に加入している。労働者が直接投資して収益率を管理する確定寄与(DC)型に加入した場合でも株式投資には積極的でない。元金保障だけ考え収益率が低い商品に老後資金を任せるのは無謀なことだ。筆者が会った多くの人は投資に対する認識が不足していた。特に株式に対する知識はもっとなかった。金融教育を学校や社会で受けた経験がないためだ。外国の金融機関より低い韓国の金融機関の競争力はこうした教育と文化に起因した。