【時論】ワクチン接種で鳥インフルに対応するというのは後進国的発想=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.06.16 11:55
伝統市場の制度的整備問題と渡り鳥の飛来地近隣での家禽類飼育を禁止させようという議論を見ても分かる。すでにかなり前から家畜防疫対策協議会のたびに専門家らが呼びかけているが、現実的な理由で実現されず、このような社会的・産業的背景が鳥インフルエンザ流入のたびに被害を最大限に増幅させる否定的な要因になっている。これ以上、中央と地方の防疫組織内で頑張って働いた防疫公務員数人を問責して済むような問題ではない。
10段以上のケージになっている現代式自動化施設で大規模の密集飼育を行っている産卵鶏農場も収益の面では画期的だが、集団化すればするほど伝染病には脆弱になるほかない。飼料車とたまご収集車両、中間商人の出入り頻度が頻繁になれば、それだけ鳥インフルエンザへの伝染危険が高まる。行き過ぎた密集飼育は動物の福祉にも反することだ。すなわち、産業界が参加せずには鳥インフルエンザ防疫は成功し難い。
この他にも集中的予察や早期警報システム、初動防疫と迅速な殺処分システム、現場防疫に向けた地方自治体の防疫組織の強化など、われわれが鳥インフルエンザによる被害の最小化に向けて取り組む措置は多い。初動防疫の失敗、申告漏れなどの人災的要因を補完せずワクチン接種政策に転じるのは下策中の下策だ。長期的に国民の健康に対する不安と産業競争力を弱化させる可能性があるからだ。