国立慶州博物館で保管中のヘムリグプの磁器のかけら。唐から輸入された、あるいは康津で作られた磁器が海路や陸路を通じて国内に活発に流通したことを示す。

「韓国の全羅南道康津郡（チョンラナムド・カンジングン）地域－日本の福岡一帯－中国浙江省地方」。

韓日中３国の学者らはこれら３地域から発見された「ヘムリグプ青磁」の破片の成分を分析する作業を着実に進めてきた。その結果、３カ所から見つかった青磁破片の釉（うわぐすり）の成分などが一致することを確認した。それならなぜこうした結果が出たのだろうか。一言で張保皐（チャン・ボゴ、統一新羅時代に新羅・唐・日本にまたがる海上勢力を築いた人物）の活発な貿易活動のためだった。

◇ヘムリグプ青磁のなぞ＝張保皐が大使を務めた清海鎮（現在の全羅南道莞島）から北東約２０キロに位置する全羅南道康津郡大口面（チョンラナムド・カンジングン・テグミョン）。清海鎮から連絡橋と船を利用して１時間以内に到着できる。振り子を逆戻りさせて新羅（Ｂ．Ｃ．５７－Ａ．Ｄ．９３５）時代の帆船に乗るとしても、風さえ良ければ１時間程度で到着できるというのが古い船舶を研究するマ・グァンナム氏の説明だ。

康津郡一帯では９～１４世紀に生産したものとみられる青磁の窯跡が現在まで１８０カ所以上確認された。特に新羅時代にヘムリグプの形の青磁が生産されていたことを裏付ける窯（竜雲里・第６３号など）が９０年代に発見された。康津郡は海剛（ヘガン）陶瓷美術館に依頼し調べたところ、同地域の青磁から、中国を代表する青磁窯「越州窯」の青磁の釉の成分と似たような特徴が確認されたと明らかにした。

康津郡地域のヘムリグプ青磁は着色材料だけ越州窯の青磁と異なるという。土の成分自体が中国と異なるため違いがあるだけだということだ。陶磁器の歴史を研究してきた学者らは、張保皐が活動していた時期が、康津地域で見つかったヘムリグプ磁器の破片が生産された時期と重なる点に注目した。

陶磁器の研究で中国最高の権威を持つ林士民・元寧波文物考古研究所長（７６）は「清海鎮付近で見つかった磁器の破片が越州窯のものと一致し、釉の色や焼き方が同じ」とした上で「越州窯が最も活発に生産していた時期が、張保皐が商団を準備していた期間と一致することから、当時の最高級品だった越州窯の生産技術が張保皐によって韓半島に持ち出されたものとみられる」という見方を示した。

崇実（スンシル）大学の金文經（キム・ムンギョン、歴史学）名誉教授も「康津窯跡で越州窯の方式によって生産された磁器は、張保皐が清海鎮を中心に活動した９世紀と一致する」とした後「張保皐は単に新羅－唐－日本－東南アジア－イスラムをつなぐ仲介貿易だけでなく、中国から陶磁器技術を持ちこみ、清海鎮一帯に生産基地を作ったものと考えられる」と話した。


「ヘムリグプ青磁」の秘密、張保皐の貿易活動見ればわかる（２）


【今日のイチ䦃シ記事】
・　価格は引き下げショールームは最高級に…トヨタの進撃
・　韓国「生活の質」４年連続２６位
・　もっと国民のそばに…独島関連キャンペーンを展開
・　金正日の三男・金ジョンウン、党組織部署で副局長級
・　イ・ビョンホン「白夜の失敗は繰り返さない」
・　＜Ｕ２０Ｗ杯＞ＦＩＦＡ「韓国の８強進出、驚いた」