高齢者の貧困深刻…財政動員して「福祉・成長好循環」模索する時=韓国(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.05.12 15:15
しかし社会福祉の支出の漸増的な増加のために累積する国家債務に直面した政治家は、社会福祉の支出の削減を考慮しなければならない圧力に直面することになる。この時、財政安定化(財政健全性の確保)の論理が台頭するのが一般的だ。財政健全性に力点を置く政策は有権者から人気を得難い。
したがって政府・与党は年金政策の目標設定過程で非難回避の政治と財政合理化の論理で難しい選択をしなければならない。非難回避の政治を継続して進めれば財政合理化は難しくなり、反対にすれば次期選挙の苦戦を甘受しなければならない。このような政治内容の変化はあくまでも福祉先進国の経験であり、福祉後進国である韓国の場合には修正が必要である。
韓国では国民年金制度が1988年に導入されたが、その土台は維新政府〔朴正熙(パク・チョンヒ)政権時代〕の初期である73年の国民福祉年金法から始まる。当時さまざまな理由で法施行が留保されてしまった。何よりも最高政策決定権者が3%の雇用者負担保険料を企業の負担と判断したと推定される。反論もあるだろうが、とにかく権威主義政治で国家政策の留保は結局、大統領の最終決定だ。当時の政治状況では「称賛獲得の政治」という概念もなかったが、国民年金制度が計画どおりに実行されたとすれば朴正煕大統領は産業化とともに福祉化の先駆者としても賞賛されただろう。