この日午後、Ａさんの名前が主要ポータルサイトの検索語ランキングに入ると「Ａさん動画は選管ホームページＤＤｏＳ攻撃事件を隠すための策略」というデマまで広がった。午後１０時ごろには「［緊急速報］○○○セックスビデオ流出波紋で午後８時４５分ごろに自宅で死亡しているのを発見」というデマまで登場した。問題のブログから動画が削除された６日も大衆ののぞき見趣味は沈静化しなかった。動画が保存された別のサイトを教える「親切なリツイート」が続いた。午後からはＡさんの家族の個人情報、大学生活などを公開する書き込みがあふれた。だが、イシューが出るたびに意見を出していたパワーツイッターユーザーは沈黙した。オンライン社会の流れが１％の利用者によって左右されるという「９０：９：１の法則」のように最初の流布者のＢ氏が意図した「人格殺人」が現実化したのだ。警察はＢ氏を名誉毀損容疑で告訴したＡさん側に対し告訴人調査を行う計画だ。Ｂ氏はこの日午後、ブログに写真を追加で上げ、「法廷まで行かねばならないならそうする」という言葉を残した。

ソウル大学のクァク・クムジュ教授（心理学）は、「ＳＮＳは多くの人が同時に意見をやりとりできる長所があるが、否定的だったり虚偽の情報を急速に広める逆機能もある。不特定多数にすべてのネットワークと過去が露出された被害者の苦痛は想像を超越するだろう」と話した。崇実（スンシル）大学のパク・チャンホ教授（情報社会学）は、「ＳＮＳの波及速度はとてつもなく速いため検証する機会も持てないまま無分別な個人情報公開に陥ることになる」と指摘した。パク教授は、「リツイートなど伝達だけしたとしても非道徳的行為に積極的に参加する結果になるという点を忘れてはならない」と述べた。
女性タレント動画事件…「ＳＮＳのぞき見趣味」が起こした魔女狩り（１）