トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）労働党委員長の間の「意志の戦争（ｗａｒ　ｏｆ　ｗｉｌｌ）」が本格化している。２人は相手国を攻撃するという前例のない水準のレトリック（修辞）を駆使しながら韓半島（朝鮮半島）「８月危機」を高めている。

トランプ大統領は８日（現地時間）、「北朝鮮が威嚇を続ければ炎と怒り（ｆｉｒｅ　ａｎｄ　ｆｕｒｙ）、言い換えれば現在の世界で見たことのない力に直面することになるだろう」と警告した。休養地のニュージャージー州トランプナショナルゴルフクラブで腕組みをしながらカメラを見つめて「北朝鮮はこれ以上米国を威嚇しないことが最善だ」という言葉を２回連続で述べた後だった。翌日にはツイッターに「大統領として最初の命令は我々の核兵器を改造して現代化すること」とし「かつてなく強力だ」というコメントを載せた。続いて「我々がこの威力を使わずに済むことを望むが、米国が世界で最も強い国でなくなる時期は来ない」と強調した。

トランプ大統領の最初の発言の３時間後、北朝鮮は核・ミサイルなど戦略武器を運用している戦略軍の報道官の声明を通じて「中長距離弾道ロケット（ミサイル）『火星１２』でグアム島周辺に対する包囲射撃を断行するための作戦案を慎重に検討している」と主張した。続いて「金正恩（キム・ジョンウン）同志が決断をすれば、任意の時刻に同時多発的に、連発的に実行されるだろう」と脅迫した。

この状況で文在寅（ムン・ジェイン）大統領は金勇佑（キム・ヨンウ）陸軍参謀総長をはじめ新任軍首脳部から進級および補職申告を受けた。文大統領は「何よりも高度化する北の核・ミサイルに対応する現代戦勝利の戦力を確保することが重要だ」と強調した。

ティラーソン米国務長官は９日、北朝鮮の「グアム包囲射撃」発言に関し、「グアムを含めて（米国領土に）迫った脅威はない」と述べた。ティラーソン長官はグアムで記者に対し「米国人は夜に安心して眠ってもかまわない」とし「最近の（北朝鮮）特有の修辞を心配する必要はない」と述べた。トランプ大統領の「炎と怒り」発言については「金正恩委員長が理解する言葉で強力なメッセージを伝えた」とし「彼は外交的な言葉を理解できないため」と説明した。ジョージ・チャパロ・グアム国土安保顧問はこの日の記者会見で「グアムはアンダーセン空軍基地に配備されたＴＨＡＡＤ（高高度防衛ミサイル）で保護されている」とし「北朝鮮のミサイルがＴＨＡＡＤ防御層を突き抜ける可能性は０．０００１％」と話した。

韓国軍当局も北朝鮮の威嚇声明は米国の圧力への対応措置の一環として出てきたものと分析している。


トランプ大統領「米国の核兵器、かつてなく強力」（２）