衝突すればドアが開くが…「最高安全」広告を出した韓国トヨタ

衝突すればドアが開くが…「最高安全」広告を出した韓国トヨタ

2019年01月17日09時20分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
comment
0
share
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixi
写真拡大
トヨタの準中型SUVの前面部。米国で販売した車(左)は鉄鋼補強材を付着して安全性を高めているが、韓国で販売した車(右)は補強材がない。(写真=公正取引委員会)
  「衝突すれば人が外に放り出されるかもしれないという点で、起きてはいけない状況が生じた」。トヨタ自動車の2018年式準中型SUV「RAV4」に対する米国道路安全保険協会(IIHS)の評価だ。

  韓国でも人気の一部の自動車が安全性に深刻な問題があることが確認された。自動車47ブランド・202車種を対象に衝突試験をした米国非営利団体IIHSが年末に発表した安全性評価を中央日報が分析した結果だ。

  IIHSは毎年、米国で販売される車を対象に直接衝突実験を実施し、この過程を精密カメラで撮影して安全性を測定する。評価方法で世界最高水準の公信力を誇るため、自動車業界の「安全審査」と呼ばれる。

  SUV89車種のうち搭乗者が深刻に負傷するという「最悪の成績表」を受けたSUVは4つだった。時速64キロ(40マイル)で走行中に左側ヘッドライト部分が障害物(車、電柱、木)と衝突する場合、RAV4は補助席のドアが開いた。RAV4は韓国で累積販売台数が1万台を超える人気車種だ。昨年だけでも韓国で2050台売れた。

  こうした状況にもかかわらず韓国トヨタはRAV4が「IIHS選定最高安全等級車」と広告したことが明らかになった。公正取引委員会は15日、「不当な表示・広告行為禁止」違反容疑で韓国トヨタに課徴金(8億1700万ウォン)を賦課した。ソン・ジョンウォン公取委ソウル事務所総括課長は「米国で販売された車とは違い、韓国で販売したRAV4は前面に鉄鋼補強材がない」とし「国内発売車と海外販売車の安全仕様に差があるのにもかかわらず欺まん的に広告を出した」と説明した。

  フォード自動車も同じ成績だ。RAV4と同級の「エスケープ」は補助席が問題だ。補助席のダミー人形は同じ状況で衝突すると、右側の尻の部分に深刻な打撃を受けた。こうした輸入車が「危険(P)」等級を受けたのに対し、競合車種の現代車「コナ」は「安全(G)」等級を受けた。

  韓国で最もよく売れる輸入大型SUVのフォード「エクスプローラー」も安全ではなかった。韓国で昨年6909台売れ、同級ベストセリングカーとなったエクスプローラーは部分衝突時に補助席の屋根を支える柱が最大38センチも内側に曲がった。IIHSは「補助席の枠も斜めに15センチほど食い込み、乗客席の空間を脅かした」と評価した。

  ジープブランドのフラッグシップSUVグランドチェロキーは補助席ダミー人形の右太ももへの衝撃が激しかった。また、側面のカーテンエアバッグは配置の問題で頭部を負傷する可能性が高かった。一方、韓国の同級車種(現代車サンタフェ、起亜車ソレント)はすべて「最も安全な車」等級を受けた。

  SUVの89車種のうち運転者が負傷するという評価を受けた車は1つ、ゼネラルモーターズ(GM)がダッジブランドで販売している中型SUV「ジャーニー」だ。部分衝突時にパーキングブレーキペダルで左下腿部(膝関節と足首の間)に切り傷が生じた。右側下腿部、左側足首、左側尻の部分にも一部衝撃があった。車体が大きいSUVが運転者安全評価で「危険」等級を受けるのは異例だ。韓国では販売されていない。

  セダンの113車種を対象に評価した結果、運転者の負傷を理由に「危険」等級を受けた自動車は2車種、フィアット500Lと日産ヴァーサだ。小型車フィアット500を5人乗りに改造したフィアット500Lは部分衝突時に運転席の扉と車体を連結する部分が外れてドアが落ちた。このため運転席のダミー人形の両下腿部と左側太ももに衝撃があった。日産ヴァーサの場合、同じ状況で左足と足首への衝撃が大きかった。ともに韓国では販売されていない。

  自動車の右側前面部分衝突実験が重要な理由は、交通事故による死者の4人に1人がこれと同じ状況で命を落とすからだ。IIHS側は「米国の交通事故による死者の25%が正面の部分衝突状況で発生する」と説明した。

  一方、IIHSはほとんどすべての衝突評価で安定性を立証した車に「トップセーフティーピックプラス」等級を付与する。全体で30車種が最高等級を受けたが、このうち12車種が現代車、起亜車、ジェネシスだった。小型セダン部門では現代車(アクセント)、起亜車(リオ)が同級モデルを圧倒した。

  中型セダンでは韓国車(現代車、起亜車、ジェネシス)と日本車(スバル、トヨタ、レクサス)が高い評価を受けた。一方、GMマリブとフォルクスワーゲン・パサートは助手席の安全性評価が良くない方だ(微弱、Marginal)。衝突時に助手席の乗客の頭がダッシュボードにぶつかる現象が依然として解決されていない。

  自動車企業のプライドがかかる大型車部門ではドイツ高級車が期待を裏切らなかった。メルセデスベンツEクラスとBMW5シリーズが最高等級を受けた。現代車の高級ブランドのジェネシス(G90、G80)も安全性の側面ではこれに劣らない評価を受けた。一方、GMブランド(キャデラックCTS、ダッジ・チャージャー、ダッジ・チャレンジャー)はクライスラー300Cとともに運転席の安全性でやや問題が指摘された(Marginal)。

  今回の評価で意外な変数はヘッドライトだった。ヘッドライトが曲線走路で動く方向に合わせて切り替えられなかったり、下・上向きが自動変更されない問題が多数の車で発生した。ビュイック(ラクロス)、GM(インパラ、ボルト)・フォード(トーラス、フュージョン)、クライスラー(300)、ダッジ(チャージャー)、キャデラック(CTS)などだ。ホンダ(シビック)、フォルクスワーゲン(パサート)の代表車もヘッドライト部門で評価が悪かった(「危険」等級)。日産の高級ブランド「インフィニティ」のフラッグシップセダン(Q70)はカーシートの部品で「危険」等級を受けた。
【今日の感想】この記事を読んで・・・
興味深い
悲しい
すっきり
腹立つ
役に立つ

今日のイチオシ記事