中堅企業の７０．６％が勤務時間の短縮を骨子とする勤労基準法改正案について「不当」と考えていることが分かった。

中堅企業連合会が８日、中堅企業１２６社（製造業９５社・非製造業３１社）を対象に実態調査を行った結果だ。特に製造業者は「不当」と答えた企業が８１％にのぼった。

勤務時間の短縮に反対する理由は、中堅企業の場合、「人件費増加による企業の負担」（３６．８％）が最も多く、次いで「納期日の遅延・生産量減少など生産への支障」（２９．３％）、「景気変動による弾力的な運営手段の喪失」（１６．７％）、「賃金問題による労使葛藤誘発」（１６．１％）の順だった。中堅企業の大半（９５％）が休日勤務を実施している状況で、勤務時間の短縮は企業の経営に及ぼす影響が大きいということだ。

また中堅企業は勤労基準法改正への対応策として「新規採用による人材補充」（３８％）、「自動化設備投資」（２６％）などを選んだ。対応策がなく、「賃金を削減する（１５．５％）、「生産ラインを海外で移転する」（８．１％）という回答も少なくなかった。

勤務時間短縮問題の解決方法としては、６６．７％が「現行法を維持して労使間の自律合意に任せるべき」と答えた。