全長１０．８メートル、高さ２．５メートルの高速列車の形をした店舗に自販機５台が設置されている。自販機には飲料水・スナック・フード・加工食品・非食品など約２００品目の商品が置かれていた。商品の購入は、商品の一連番号を入力したあとクレジットカードや交通カードで決済できる。自販機の横には電子レンジや温水器、ストロー、ティッシュ、使い捨ての箸など、自販機で買った食品をすぐに食べられるような環境が整えられている。

セブンイレブンは自販機型コンビニエンスストア「セブンイレブン・エクスプレス」の試験運営を始めると２０日、明らかにした。運営場所は本社内２カ所など合計４カ所だ。会社関係者は「従来の加盟店の補助店舗機能を果たせるように開発した」と説明した。

セブンイレブンは昨年５月、一般コンビニエンスストア全体を無人化した「セブンイレブン・シグネチャー」店舗を公開した。シグネチャーには世界に先駆けて手の平の静脈を認識して決済する「ハンドペイ」などの最先端技術を搭載した。２０日現在、３カ所のシグネチャー店舗が営業中だ。

コンビニエンスストア業界に無人化の流れが加速している。人材を減らして人件費を節約し、店舗アクセシビリティや購入の回転率などを高めて売上を増やすという計算だ。

韓国の大手スーパー「ｅｍａｒｔ（イーマート）」系のコンビニ「ｅｍａｒｔ２４」はこの日現在、全国で９カ所の無人コンビニエンスストアを運営している。７カ所は営業時間を通して無人で運営し、残り２カ所は特定の時間だけ無人となる。また、ｅｍａｒｔ２４は２カ所のハイブリッド型店舗を試験運営しているが、一般店舗内に自販機型店舗を同時運営している。会社関係者は「午前６時から午前０時まで一般店舗と自販機型店舗を同時運営した後、午前０時以降は自販機型だけを運営している」と説明した。

ＣＵは３カ所の無人コンビニエンスストアを運営している。スマートフォンアプリケーションを利用した決済システムを導入しているのが特徴だ。ＣＵ関係者は「物のバーコードをスマートフォンカメラでスキャンすれば自動で『ＣＵバイセルフ』アプリに決済する商品目録が生成される」とし「その後はあらかじめ登録して連動させておいたクレジットカードで決済すればよい」と説明した。

コンビニエンスストアだけでなく、デパートなど他の流通チャネルも無人化の流れに合流した。現代デパートグループは、この日グローバル流通企業のアマゾン（Ａｍａｚｏｎ）と提携して「未来型流通店舗」の研究に着手すると発表した。２０２０年下半期オープン予定の「現代デパート汝矣島（ヨイド）店」（仮称）にアマゾンの先端技術を適用する方針だ。会社関係者は「『Ａｍａｚｏｎ　ＧＯ（アマゾン・ゴー）』のジャスト・ウォークアウト・ショッピング技術（Ｊｕｓｔ　Ｗａｌｋｏｕｔ　Ｓｈｏｐｐｉｎｇ　Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ、消費者がショッピングをした後で、レジを通らずにそのまま歩いて出ると自動で決済される技術）を使った無人スーパーマーケットや無人案内システムの構築などが研究対象」と話した。

ファーストフード店や一般のレストランなど外食業界でも無人化傾向が顕著になっている。韓国の代表的な無人注文機器メーカーの「トゥロスシステムズ（ＴＲＯＳ　ＳＹＳＴＥＭＳ）」は今年の売上額が昨年比２倍増となる６０億ウォン（約５億９１００万円）台を記録する見込みだと明らかにした。

このような現象が顕著になっている根本的な理由としては、長引く景気低迷が挙げられる。商売にならないので人件費を削減して利益をあげようということだ。最近の急激な最低賃金引き上げ政策や高騰する賃貸料などが無人化傾向に拍車をかけているとの分析だ。

最近の消費者の消費トレンドを満足させるためには無人化が避けられないという声もある。

コリアセブンのキム・ヨンヒョク企画担当常務は「無人化店舗は若者の『アンタクト（ｕｎ－ｔａｃｔ）トレンド』（従業員との接触を避ける傾向）などとも重なる。店舗の拡張性が大きく消費者がアクセスしやすく、決済過程はスムーズという長所もある」と説明した。

延世（ヨンセ）大学経営学科のオ・セジョ教授は「無人化が必ずしも正解ではない」とし「各店舗ごとに無人化が必要なのか綿密に確認する作業が必要だ」と述べた。

オ教授は「従業員の親切さ、商品推薦などのサービスを望む消費者もいる可能性があり、韓国語が分からない外国人の場合、無人自販機の使用が難しい場合もある」と付け加えた。