◆「持ちこたえれば生き残れる」雰囲気広まる

「韓国で企業構造調整がスピード感を出せないのは、政府の消極的な態度も一役買っている」というのが専門家たちの指摘だ。雇用創出効果が大きいこれらの業種に「メス」を突きつけたところ「後日の暴風」に苦しまざるをえないという説明だ。ある大型造船会社の関係者は「２０１０年以降、中堅・大手の造船会社のうち半分以上が経営難に苦しめられているが、まだ閉鎖したところはない」として「いくら経営に失敗しても持ちこたえれば政府の支援を受けられる」と話した。この関係者は「生き残った不良企業によって供給過剰現象が激しくなり、結局は完全な造船会社まで危険にさらす悪循環が続いている」と強調した。

汎用製品分野で中国企業に市場を侵食されている石油化学業界は「まだ状況は悪くない」という理由で構造調整に消極的だ。

◆構造調整遅らせれば、さらに大きな危機招く

産業研究院のイ・ハング専任研究委員は「先進国は企業が自律的に構造調整を進めて原価・品質競争力を高め、中国は政府が主導的に構造調整を施行している」として「韓国だけが構造調整を放置している」と話した。彼は「一部の業種でイラン特需などを期待して『構造調整を遅らせよう』という声が出てきているが、今でも構造調整に出なければ危機は手のほどこしようもないほどに大きくなるだろう」とつけ加えた。業界内部でも自省の声が出てきている。チョン・チョルギルＳＫイノベーション副会長は「今、精油・石油化学業界は苛酷な冬がくる前に少しの間だけ暖かくなる『アラスカの夏』のような時期」として「今が事業構造を変える最後のゴールデンタイム」と強調した。


韓経：産業構造調整、遅々として進まない韓国（１）