【社説】韓米の“北核すれ違い”にブレーキをかけた駐韓米国大使代理
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.04.03 10:51
マーク・ナッパー駐韓米国大使代理は2日、「我々(米国)が北朝鮮と会う目的は完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄(CVID)が必要で、これは妥協の対象ではないことを強調するためのもの」と述べた。5月に予定された米朝首脳会談に臨む米国の公式立場について、変化がないことを改めて確認する言及だ。発言のタイミングも注目に値する。青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者が「先に核廃棄、後に補償」が骨子のリビア式解決法を「北朝鮮に適用するのは不可能」とし、北朝鮮の「段階的非核化」の主張に同調するような発言をした直後だった。非核化の範囲とその方式をめぐり、韓米間で異見が広がってはいけないという強力なメッセージとみるべきだ。
韓国政府は先週、板門店(パンムンジョム)で開かれた南北高官会談で南北首脳会談日を決めただけで、議題(非核化)は合意を引き出すことができず手ぶらで帰ってきた。米国の立場では、南北首脳会談が開かれても非核化は表面だけをなぞる公算が大きいと判断しそうだ。そうなれば、米朝首脳会談で、米国が単独で北朝鮮に非核化を圧迫するという負担を抱えることになる。このためナッパー氏は「韓国が南北首脳会談で北朝鮮の非核化をはっきりと要求して成果を出さなければならない」というメッセージを送ったものとみられる。