【社説】中国人民元の秩序ある調整が最善
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.03.16 10:34
中国にとって人民元の切り上げは大きな懸案だ。中国は輸出を通して世界2位の経済大国に成長した。国内総生産(GDP)で輸出が占める割合は韓国より高い。人民元の切り上げは中国にとって致命的かもしれない。その間投資してきた莫大な設備が過剰設備に転落する恐れもある。中国としては人民元の価値を低く維持し、雇用と輸出を維持したいという誘惑を駆られるだろう。温家宝中国首相は先週末「強制的な方法で他国の為替レートに圧力を加えるのは穏当でない」と反発した。「人民元の為替レートは中国が自ら、徐々に、合理的な範囲内で調整する」という3大原則を改めて確認した。
しかし国際貿易と為替レートには相手が存在する。オバマ米大統領は先週、「中国は市場親和的な為替レート体系に移行すべき」とし、人民元切り上げに向けて露骨に圧力を加えた。今後、米国の輸出をもっと増やすという輸出促進政策を持ち出した。輸出有望品目の発掘と貿易金融を通した支援までも約束した。中国と米国が正面からぶつかる流れになっている。温首相が「中国の内需促進と輸入拡大を通して貿易不均衡を解消できる」という妥協策を提示したが、力不足だ。米国の不満が爆発し、来月15日に中国を為替レート操作国に取り上げれば、通商摩擦戦争は避け難くなる。世界経済の最も不幸なシナリオだ。