【コラム】これ以上大企業の落水効果はない=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.29 10:14
韓国はさまざまな面で日本が歩んできた道を歩いている。もしかすると大企業が輸出を主導する日本の経済発展戦略をベンチマーキングした宿命なのかもしれない。問題は日本の構造的病理現象を象徴する日本病まで伝染する兆しを見せているということだ。慶応大学経済学部の金子勝教授は日本経済を非常に興味深い方式で分析する。彼は東京大学先端科学技術研究センターの児玉龍彦教授と昨年末に『日本病』という本を出版した。経済学と生命科学を融合した独特の見方で日本経済の問題点を診断した内容だ。彼は現在日本がどのような抗生剤も効かないスーパーバクテリアに感染した重症状態だと主張する。特に金融を緩和して大企業の株価を浮揚し経済を生かそうという「アベノミクス」は苦痛を少しの間まぎらす麻薬と同じだと批判している。
アベノミクスに対しては日本だけでなく韓国でも評価が交錯する。ほとんど完全雇用に近づいた大卒者就職率を挙げ日本経済に活力を吹き込んだという肯定的評価もある。これに対し労働者の実質賃金はむしろ減ったという否定論が対抗している。国際通貨基金(IMF)も「初期の推進力を失い、長期化すれば金融危機につながりかねない」と警告した。結局アベノミクスの成否は大企業に放出した資金がどれだけ一般国民に流れて行き好循環をできるかにかかっているとみることができる。