Ｓ＆Ｐは韓国の格付けを引き上げた理由として大きく３種類を挙げた。順調な経済成長、対外健全性改善持続、十分な財政・通貨政策余力だ。Ｓ＆Ｐはこの日出した報道資料を通じ、「韓国の今年の国内総生産（ＧＤＰ）成長率は２．６％と予想されるが、これは主要先進国の０．３～１．５％より高い」と評価した。

一方では格付け引き上げが現在の体感景気とは異なる状況という指摘も出ている。漢陽大学経営学部のイ・サンビン教授は「国債格付けは韓国政府と公企業が金を借りた時にしっかり返済できるかを評価した指標。格付けが高まったというのは良い話だが、韓国の経済状況が今後良くなるかどうかとは違った問題だ」と話した。「韓国の負債返済能力が改善された」という程度だけで解釈しなければならないという話だ。

Ｓ＆ＰはＧＤＰの５％を上回る経常収支黒字と純政府負債がＧＤＰの２０％水準で維持されているという点を格付け引き上げの主要素に挙げた。イ・サンビン教授は「経常黒字だけでも輸出より輸入が大幅に減って起きる不況型黒字だ」と限界を指摘した。資本市場研究院のイ・スンホ国際金融室長もやはり「Ｓ＆Ｐが韓国の財政状況を健全だと評価したが、これもまた先進国水準の福祉を成し遂げられない状態でただ良かったとばかりは言えない」と指摘した。

イ・スンホ室長は「外部からの韓国経済の見方が悪くない時に成長潜在力鈍化、少子高齢化、二極化のような構造的問題を解決しなければならない」と話した。

◇スタンダード・アンド・プアーズ（Ｓ＆Ｐ）＝米国に本部を置く国際格付け会社。国別、主要企業別に格付けし金融市場と金融商品分析もする。Ｓ＆Ｐはムーディーズ、フィッチとともに世界３大格付け会社に選ばれる。Ｓ＆Ｐが５００社の企業・銘柄を選んで算出した「Ｓ＆Ｐ５００指数」は米証券市場の主要指標のひとつとして使われている。


韓国、１１カ月ぶりにＳ＆Ｐ格付け上昇…極めて異例（１）