日本酒ブームとマッコリの瞬間的人気…違いは国の魅力(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.10.20 11:48
「もう済州島(チェジュド)には行かないつもりです」。親しい知人の話に驚いた。1年に少なくとも3回、家族や友人とともに、あるいは1人でも済州島を訪れる済州島マニアだったためだ。前回の旅行で大型カフェ、化粧品店が建ち並び中国人観光客で混み合う明洞(ミョンドン)と変わるところがない様子を見て愛情が冷めたようだ。旅行に対する個人の好みはさまざまだが、済州島が大切な忠誠顧客を1人失ったことは確かだ。
企業が新規顧客1人を確保するためには1人の既存顧客を維持するのにかかる費用より少なくて5倍、多くて25倍ほどを投じなければならない。多様なロイヤルティプログラムを稼動して顧客関係を管理する理由もここにある。顧客離脱率は企業の健康状態を示す主要指標でもある。何よりも企業の長期的な成長に必要な核心顧客の離脱を防止することが重要だ。
国も同じだ。ところが最近若い層の間では海外移住のために毎月資金を積み立てて情報を共有する「移民契」が流行している。最近中央日報が大学生800人を対象に実施したアンケート調査でも回答者の70%以上が「移民に行きたい」と答えた。就職の壁を越えられなかった20代から過度な競争に疲れた高学歴エリート、子どもの教育と老後計画が不安な40代まで、社会の心臓であり頭脳、腰の役割をする核心顧客の離脱が予告される。移民まではしなくても希望がなくストレスが激しい地獄のようなところだとして「ヘル朝鮮」を非難する青年も多い。