【社説】平和イベントもいいが、北朝鮮非核化が核心だ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.04.02 15:48
13年ぶりに平壌(ピョンヤン)に韓国歌手の声が響きわたった。チョー・ヨンピル、イ・ソニからアイドルグループRed Velvet(レッドベルベット)まで世代を網羅したK-POPスターが「南北平和協力祈願南側芸術団」の名前で東平壌大劇場のステージに上がり、北の同胞に楽しいひと時をプレゼントした。「春が来る」という舞台タイトルのように、今回の公演を通じて凍りついた南北関係に薫風が吹くようになることを願う。
しかし、期待とともに懸念も交差しているのが事実だ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)は今月27日に板門店(パンムンジョム)で開かれる南北首脳会談をテレビで生中継し、南北首脳が夫婦同伴で昼食を取る案を検討していることが分かった。一山(イルサン)KINTEX(韓国国際展示場)に2000席を越える超大型メディアセンターも運営する計画だ。芸術団と共に平壌を訪れた都鍾煥(ト・ジョンファン)文化体育観光部長官は、「8月のアジア競技大会合同チーム構成」「民族語大辞典共同製作」など、バラ色のシナリオを次々と出している。11年ぶりに再開される南北首脳会談を大々的に宣伝したい現政権の気持ちを理解できないわけではない。しかし、首脳会談の本質である北朝鮮の非核化をまだ議題として確定することもできない状況で、ショー式イベントと広報だけに重点を置いているのではないかという批判も心に留めておいてもらいたい。
注目するべき部分は米国と国際社会の流れが韓国を北朝鮮制裁戦線から離脱できないように圧迫する方向に向かっている点だ。ドナルド・トランプ米国大統領は南北が首脳会談開催日を発表してわずか数時間後、「韓米自由貿易協定(FTA)改正を北核合意後に先送りすることもありうる」と述べた。韓国が「北朝鮮の完全な非核化」原則から抜け出して迂迴的方式で制裁に穴をあければ苛酷な犠牲を払うことになるという警告も同然だ。国連の制裁の網目もますます小さくなっている。安保理が先月30日、北朝鮮の石油・石炭の海上密輸に加担した容疑で船舶27隻と企業21社、個人1人を制裁リストに追加したのが代表的だ。