ハードウェアだけでは足りない。ハードウェアを通じて、より大きな価値を創出するのはソフトウェアだ。水路に沿って山道に分け入り、全国津々浦々に通っている韓国の自転車道路も同じだ。韓国の自転車旅行を外国に販売する専門旅行会社が登場した。

先月２７日、外国人１５人が自転車に乗って漢江（ハンガン）のクァンナルから出発し、八堂 （パルタン）ダムに向かって力強く走った。韓国の自転車旅行商品を初めて購入した人たちだ。彼らは８泊９日の日程で「漢江～春川（チュンチョン）」と「驪州（ヨジュ）～ 常州（サンジュ）」コースを経て、安東（アンドン）まで自転車で旅行した。銀輪に体を乗せ、韓国の山河の趣を満喫できるコースだった。

バイクオアシスのチェ・ボムソク代表（４６）は、韓国の自転車旅行商品を作ったフロンティアだ。チェ代表は、一時、Ｋリーグの車範根（チャ・ボムグン、６０）元水原サムスン監督と車ドゥリ（チャ・ドゥリ、３３）のエージェントもしていた変わり者だ。２００２年に韓日ワールドカップ組織委員会で働いていて、国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）エージェントの資格証も持っている。

チェ代表は「アイルランドでは、外国人観光客の全体における９％が自転車旅行をするために入国する。２０００年代初めのオーストラリアでは、自転車旅行産業が毎年１５％ずつ成長した」とし、「韓国もハードウェアを備えているから十分に可能性がある」とし、自転車専門旅行社を開いた理由を説明した。

米国人のアラン・ウェルズさんは「欧州と米国で自転車旅行商品は一般的だ。今まで欧州を含めてベトナムやウズベキスタン、ミャンマーなどを自転車で旅行した」とし、「２年前から韓国に自転車旅行を来てみたかったが、関連する旅行商品がなかった。しかし、今回バイクオアシスが自転車旅行商品を出していたので申し込んだ」と述べた。彼はまた、「自転車道路がよく整っていて、漢江など周辺景観も優れている」と言って親指を立てた。

チェ代表は自転車旅行ばかり売るのではない。韓国の文化も一緒に知らせている。自転車旅行の参加者は春川ではタッカルビを食べて、安東ではチムタク（蒸し鶏）を食べながら韓国の味覚を一緒に楽しむ。ホテルに滞在することもあるが、伝統韓屋で宿泊するプログラムも用意している。

韓国は自転車で旅行するのに打って付けだ。チェ代表は「今年８月、外国で自転車旅行の商品を販売している会社の代表８人が、韓国の自転車道路を見て感嘆して帰った」とし、「韓国は最近、５～６年の間に自転車道路は大きく増えているが、これを活用する商品は不足している」と説明した。スイスから来たアルミンさん（６０）は「韓国は自転車道路もよく整っているし、治安もよくて安心して自転車を楽しむことができる」と評価した。

最近は自転車関連産業も急速に大きくなっている。産業通商資源によると、２０１２年の１年間販売された自転車は２５０万台を超えている。２００８年の１８０万台より約４０％増加した数値だ。市場規模は７５００億ウォン（約７００億円）に至ると見ている。チェ代表は「自転車旅行の商品は、一般ツアーの商品より１．５倍から２倍ほど高い。５人当たり１人のガイドが必要で、サポート車両も常に同行するからだ」とし、「環境を考え、健康への関心が高まり、自転車旅行の人気はとどまるところを知らない。付加価値が高い産業で、今後のビジョンも高い」と述べた。