安倍晋三首相は強大国の指導者の心をつかむためなら何でもする人物だ。一時、彼は「愛犬外交」で実益を取っていたことがある。２００８年４月、ホワイトハウスを訪問した時はジョージ・Ｗ・ブッシュ当時米国大統領の愛犬のために、夫人自ら作った子犬用クッションをプレゼントして話題になった。

ブッシュだけではない。クリル列島（千島列島）返還問題の最中だった２０１２年７月には、もう一人の愛犬家であるロシアのウラジーミル・プーチン大統領に秋田犬（メス）を贈った。昨年末には秋田犬（オス）を贈ろうとしたが断られた。

その彼が今度は「ゴルフ外交」に方向転換した。ドナルド・トランプ米大統領が犬好きではないためだ。その代わり、彼がゴルフ狂であることを知った安倍は５４０万ウォン（約５５万円）の日本製ドライバーをプレゼントし、２７ホールを一緒にラウンドした。ＢＢＣは安倍が「外交的ホールインワンだ」として賞賛した。

今回のトランプ歴訪も機会を逃す安倍ではなかった。トランプを日本の名門、霞ヶ関カンツリー倶楽部に連れていって９ホールをラウンドした。

このような最高の誠意は日本人だけの専有物でない。あまり知られていないが、李明博（イ・ミョンバク）大統領も愛犬外交を繰り広げた。李当時大統領は２００８年４月の初めての訪米時、ブッシュに愛犬用首輪と骨を贈って点数を稼いだ。ブッシュとの最高の相性もこのような誠意が積もり積もってもたらされたものだ。

このようにして彼らが強大国首脳の心をつかむために奔走する理由は何か。それだけ首脳の個人的感情が国際関係を左右するからだ。昨日訪韓したトランプが韓国でどんな印象を持つかが韓米関係に大きな影響を及ぼすということだ。

そうでなくても、ゴルフ場と有名料亭を訪れた日本に比べて韓国での日程は平沢（ピョンテク）米軍基地訪問、国会演説など、余裕があまりない印象だ。このような時に、昨日ときょう、あちこちで反米デモが盛んに開かれている。韓日は違うといっても、あまりにも違いすぎる。


【時視各角】トランプ国会演説時の騒乱、絶対にダメだ（２）