ソウル地域担当のイ容疑者は林采正（イム・チェジョン）元国会議長の秘書官として活動しながら政界の情報を収集し、北朝鮮に伝えていたというのが検察の説明だ。２２５局の指令文の中には「民主労働党を中心に進歩大統合政党を構成しろ」という内容もあったという。

キム容疑者は「金正日（キム・ジョンイル）同志と党中央委を命をかけて死守し、革命の勝利のための銃爆弾になる」「（延坪島事態以降）敵の反共和国策動は共和国の強大な革命武力の前に失敗に終わった」などの内容の忠誠宣誓文２５件を作成したりもした。

０５年には誠意品（金日成親子への贈り物）を伝え、キム容疑者らはその年、北朝鮮の努力勲章と国旗勲章を受けた。キム容疑者らは中国・日本・マレーシアなどで計３４回にわたり２２５局の工作員と会い、インターネットでも北朝鮮と交信した。

北朝鮮の指令は昨年末から過激になり始めた。北朝鮮は「２０１４年までに仁川地域の貯油所、歩兵師団などの爆破の準備を完了し、左派青年学生団体を育成し、共産革命のための市民軍のような武装隊を結成できるよう準備しろ」と指示し、旺載山は「有事の際には２００余人を動員できる」と報告した。

一方、軍機務司令部の関係者はこの日、「旺載山が予備役将軍と将校、軍将兵を引き込んで軍事機密を収集しようとしたという情報を得て捜査している」と述べた。

◇旺載山（ワンジェサン）＝咸鏡北道穏城（ハムギョンブクド・オンソン）にある山で、北朝鮮は金日成が１９３３年にここで抗日武装闘争をテーマに演説したと主張している。北朝鮮は７０年代に革命戦跡地に指定し、金日成偶像化に活用している。


金日成の指令で２０年間活動のスパイ集団を摘発（１）