韓経:「韓国・米国法人税率の逆転に大企業エクソダス懸念」

韓経:「韓国・米国法人税率の逆転に大企業エクソダス懸念」

2018年02月02日08時59分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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韓国経済学会が主管した「2018経済学共同学術大会」が1日、春川・江原大学で開かれた。ク・ジョンモ韓国経済学会長(江原大学経済学科教授・前列左)、キム・ギョンス次期韓国経済学会長(成均館大学経済学部教授・左から2人目)等、参席者が発表を聞いている。
  法人税率の引き上げ、急激な最低賃金の上昇など韓国政府の所得主導成長政策に経済学者が批判の声を高めた。経済学者は1992年の韓中修交以降、低賃金を追いかけ低効率の中小企業が大挙して中国に工場を移したとすれば、今回は韓米間の法人税率の逆転により高効率・高技術大企業中心の「2次エクソダス(国外脱出)」が広がるという懸念を提起した。韓国を代表する経済学者が集い、1日に春川(チュンチョン)・江原(カンウォン)大学で開いた「2018経済学共同学術大会」でのことだ。

  西江(ソガン)大学のチョ・チャンオク名誉教授(元韓国経済学会長)は主題発表で「米国は法人税最高税率を35%から21%まで大幅に下げたが、韓国は逆に22%から25%に上げた」とし、「米国など海外への企業流出・移転が本格化すれば韓国経済は非常に苦しい時期をむかえるだろう」と話した。

  チョ教授は韓国経済の高度成長が止まった時期として1992年を指定した。韓国が中国と修交した年でもある。チョ教授は「中国と修交して以来、韓国の低効率中小企業が高い労働費用を避け、中国から脱出し始めた」と説明した。それと共に韓米間の法人税率が逆転したことしは1992年と同じくらい韓国経済にとって意味深長な年として記録されるものと見通した。「米国と法人税率が逆転したことで起こる新しい企業エクソダスの主体は低効率中小企業でなく高効率・高技術の大企業である可能性が濃厚だ」と観測した。

  西江大学のチョ・チャンオク名誉教授は「今の韓国は日本の1990年代と非常に似ている」とし、「日本型長期停滞」の発生の可能性を懸念した。チョ教授は「2012年以降、韓国の製造業生産性が急速に下がり、長期低成長期に進入したと見られる」とし、「労働投入量が減り、資本生産性が減少したという実物仮説によれば日本型長期停滞の可能性が高まった」と診断した。

  続けてチョ教授は「最低賃金の急激な引き上げ、労働時間の短縮、非正規職の無理な正規職化とともに資本生産性を下げる政策が日本の1990年代と同じように無分別に施行されている」とし、「すべての経済問題を政府の市場介入と規制を通じて解決できるという青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府の安易な認識が問題」と指摘した。チョ教授は「所得主導成長のような誤った概念に執着する青瓦台参謀陣の政策介入は『経済積弊』の根本的な原因となっている」とし、「政府も短期扶養のために財政政策を乱発する悪い習性を捨てるべきだ」と付け加えた。

  この日の全体会議では所得主導成長を巡る論争もあった。代表的な所得主導成長論者に選ばれる建国(コングク)大学のチュ・サンヨン教授(国民経済諮問会議マクロ経済分科議長)は主題発表で「分析結果、労働所得分配率の増加が投資と純輸出に否定的影響を及ぼす可能性は殆どないことが明らかになった」とし、「むしろ消費に肯定的な効果を及ぼし、内需景気回復に寄与するだろう」と主張した。

  チュ教授は投資と生産性など供給の側面要因を強調する主流学界の見解に対しては「所得主導成長論が登場した背景には『消費不振-投資不振-雇用不振-所得不振』の悪循環が置かれている」とし、「単純に投資を活性化して生産性を高めろと叫べば簡単に解決する問題ではない」と線引きした。

  ただ、チュ教授は政府が推進する最低賃金の急激な引き上げに関しては「速度調節論」に言及した。チュ教授は「最低賃金を引き上げるという政策の方向は正しいが『最低賃金1万ウォン』目標の早期達成は経済に不必要な衝撃を与えるおそれがある」とし、「代わりに毎年名目成長率を2~3%を超える水準で引上げ率を定めるのも方法」と提案した。

  高麗(コリョ)大学のカン・ソンジン教授は「所得主導成長論で所得(賃金)は政府または制度や社会的合意によるものと見なされる」と前置きした後、「果たして政府が最低賃金を引き上げれば所得が上がるのか疑問を感じる」と話した。また、低所得層の限界消費性向を引き上げて内需を活性化しなければならないという所得主導成長論の論理については「重要なのは消費性向ではなくマクロ経済に衝撃を与えることができる規模」とし、「高所得層が平均的に消費性向は低くても消費規模自体は低所得層よりはるかに大きい場合もある」と反論した。

  サービス業の生産性向上のためには大規模店舗の出店制限など進入規制政策を緩和しなければならないという研究結果も公開された。

  西江大学のチョン・ヒョンベ教授は「大型マートなど現代化した大型チェーン店の拡張は地域内の中小型商店の進入と退出を促進し、小売業の生産性向上に寄与することが明らかになった」とし、「地域経済の成長のためには進入規制と既存業者に対する支援という枠組みから抜け出し、生産性が高い企業中心に構造変化を誘導する方向に政策を広げなければならない」と提言した。
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