【時視各角】これ以上、墓に唾を吐きたくない=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.12.05 10:41
朴槿恵(パク・クネ)大統領(以下、敬称省略)は、事実上、終わった。単に崔順実(チェ・スンシル)や青瓦台(チョンワデ、大統領府)の権力3人組(ドアノブ3人衆)だけが理由ではない。問題は、今、国民が朴大統領を非常に嫌っているということだ。その政治的慢性病はすでに長い。尹昶重(ユン・チャンジュン)やユン・ジンスクらの奇怪な“手帳人事”、セウォル号や中東呼吸器症候群(MERS)事態時の無能さに国民は絶望した。また、劉承ミン(ユ・スンミン)のセヌリ党離党騒動や李漢久(イ・ハング)の公認虐殺を見てがっくりきた。国民は長官と首席秘書官が「女王様」の幽体離脱話法を書き取るのを見て諦念した。その上、朴大統領はともすると憂さ晴らしで検察と国税庁を動員して恥をかかせなかったか。これだから支持率が4%なのだ。遅れて大邱(テグ)西門(ソムン)市場(訳註:数日前に大火災が発生した場所)を訪ねて行ったところで同情心や保守結集の奇跡は起きない。かえって怒ったろうそく群衆が青瓦台(チョンワデ、大統領府)を包囲して「リストラ対象者が名誉退職とは一体どういうことだ」と叫ぶ。
政治的な計算を終えた主要政派は各自のカードを出している。先日までは文在寅(ムン・ジェイン)と安哲秀(アン・チョルス)は「名誉退陣を保障する」「秩序ある退陣の道を完全に閉じてはいけない」という立場だった。だが、いつのまにか弾劾と即刻下野へと完全に背を向けた。2人は弾劾を“花見劫”(勝てば利益は大きく、負けても損は少ない)と見るようになった。ひとまず進歩陣営と湖南(ホナム)民心という“飼いウサギ”を囲い込むためにもろうそく民心に乗じるのが有利だ。弾劾が否決されても同じだ。ろうそくの逆風で保守陣営が崩壊すれば大統領選挙の勝利が手に入りやすくなる。文在寅は「(早期大統領選挙をすれば)私が有利になるかもしれない。そのように見るのは常識」と自信たっぷりだ。安哲秀も街頭「下野署名」運動を強く推し進めている。セヌリ党が壊滅してこそ中道保守層を吸収して有利な大統領選挙構図に持ち込むことができるためだ。