「善良な人が勝つ世の中」おぼろげな記憶をたどる

「善良な人が勝つ世の中」おぼろげな記憶をたどる

2010年07月14日17時10分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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「製パン王キム・タック」で人気上昇中のユン・シユン。=(写真:KBS提供)
  



  香ばしいパンのにおいがテレビの前の視聴者の心をつかんでいる。明らかなスターもおらず、天文学的な製作コストをこぼした大作でもないKBS2の水木ドラマ「製パン王キム・タック」(以下製パン王)が視聴率30%を上回っている。製パン企業会長の非嫡出子が多くの逆境に勝って最高の名将になるという、ちょっとありきたりな成功談に視聴者たちがはまった理由は何か。

  ◆ドラマはやはりキャラクター=初回当時14.3%(AGBニールセンメディアリサーチ)でスタートした「製パン王」の視聴率は先週33.4%(7日)に至った。同じ時間帯SBSの「悪い男」(7.0%)、MBCの「ロードナンバーワン」(6.3%)を大きく追い越した。現在2週連続週刊視聴率1位だ。今年上半期30%を超えたドラマはフュージョン時代劇「推奴」だけだ。

  放送初期は「運が良かった」という評価が優勢だった。SBSのワールドカップ単独中継で「悪い男」は3週間中断した。130億ウォンを投入した「ロードナンバーワン」は「ロマンスもアクションも中途半端」という批判の中、不振だった。

  回を重ねるたびに「製パン王」の魅力が目立った。単純な善悪構造に不倫、拉致、性暴行など強引さが重なってキャラクターに生命力を吹き込んだ。文化評論家チョン・ドクヒョンさんは「強引さの刺激性に成長コードの希望が結合しながら古臭く見えたキャラクターとストーリーが吸入力を得た」と述べた。

  ◆善良な人の成功=弱者が主人公である通常のドラマと違い「製パン王」は複数のコードの代わりに和解と成功のメッセージを選択した。非嫡出子と同時に家から捨てられて母まで失ったタックは12年間どん底をさまよう。それでも「結局には善良な人が勝つ世の中」というお母さんの言葉を忘れない。

  「製パン王」が描く「善良な人の成功」に没頭する視聴者たちを「アンダードック効果」(負け犬、弱者同情)と解く。文化評論家イ・ムンウォンさんは「善良な弱者が悪漢強者を退けることを願い、応援する心理がある」と明らかにした。

  「自分の能力と努力で成功に至った時代」に対するあこがれ、ファンタジーという解釈もある。「製パン王」の背景である1970~80年代は高度成長によって今日より身分上昇が急激でなかった時だ。キム・ムンジョ高麗大学教授(社会学)は「経済、社会的変化で『社会的移動』の希望を失ったこのごろの人々にタックの成功は憧れと郷愁を与えるようだ」と説明した。

  
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