【コラム】「物価安定」がうれしくない理由=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.02.04 08:14
韓国開発研究院(KDI)は昨年末、積極的な通貨政策を含むデフレ防御対策を注文した。すなわち、ある程度のインフレ誘発政策が必要ということだ。実際、インフレに関する過去の「よくない記憶」を払拭できるなら、ある程度は物価上昇を誘導するのも悪くない。崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済チームが昨年末から「経常成長率」の回復を強調してきたのもこれと無関係ではない。実質成長率の回復が遅いうえ、物価も上がらないため、体感景気がよくなるはずがない。
問題は、このような認識にもかかわらず、通貨政策を担当する韓国銀行(韓銀)はもちろん、政府自らも「物価安定」の慣性から抜け出せずにいるという点だ。韓銀は先月30日、異例にも「インフレ報告書」を出し、「韓国で(日本や台湾のように)デフレが発生する可能性は低い」と強調した。日本のようなデフレの可能性を提起し、韓銀に利下げを要求したKDIに対する反論として映る。韓銀の論点は、昨今の低物価は需要の不振よりも供給の側面(原油安などコスト低下)の下方圧力が主な要因ということだ。結局、韓銀とKDIの主張の差は、最近の低物価の原因が何かに対する観点の差に帰結する。最近の原油安だけを見ると、韓銀の主張通り供給側面の物価下落圧力が大きいと考えられるが、それだけでは消費者物価が10四半期連続で韓銀の物価安定目標(2.5-3.5%)を下回った点を十分に説明できない。このような論理なら、韓銀が一歩遅れて昨年の政策金利を3回引き下げたのも、説得力を持たない。