【社説】総体的な安全保障問題 「北木造船入港事件」は国政調査を
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.07.04 12:01
先月15日、北朝鮮木造船の三陟(サムチョク)港入港事件は総体的な安全保障問題を浮き彫りにする事件だった。海上および海岸警戒作戦の失敗、遅い報告、粗雑な状況伝播体系、安易な安全保障認識、ごまかしの発表などすべての過程で問題があった。昨日発表した政府合同調査の結果だ。こうした問題点は陸軍と海軍および海洋警察など一線の部隊だけでなく、作戦を指揮する合同参謀本部と国防部、コントロールタワーの青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安全保障室にまで及んだ。にもかかわらず、軍と政府は深刻な安全保障上の問題を国民に単純事件として認識させようとした。信用できない説明と釈明に国民は怒った。政府は遅れて合同調査を実施し、昨日、事件の顛末を公開したが、依然として疑問は残っている。
まずは警戒態勢だ。全長10メートルの北朝鮮小型木造船が6月12日夜から57時間も東海(トンヘ、日本名・日本海)の韓国警戒区域を航海したが、誰も気づかなかった。東海の北方限界線(NLL)付近には海軍と海洋警察の艦艇があり、海軍の海上哨戒機も随時飛行する。しかも木造船は漂流したのでなく、動力を使って一定の速度を維持しながら航海した。なら、目を大きく開いて追跡するのが当然だ。調査団は5月末からNLL近隣に北朝鮮漁船が増え、海軍の警戒区域が拡張したため、木造船を探知できなかったと釈明した。そうだとしても決して警戒失敗の責任を免れることはない。