米国のインド太平洋戦略、中印の文明衝突を予告…韓国は?(3)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.04 16:12
人民解放軍幹部の劉明福は2009年、『中国夢』(『中国の夢』)という本を出版した。劉は毛沢東が天下を統一した1949年を基点に2049年までの100年以内に中華中心の世界を建設するというビジョンを提示した。劉はこれを「100年マラソン」と呼んだ。「中国と米国の競争は決闘やボクシングではなく、陸上競技、それも長いマラソンになるだろう」。劉は冷酷だった戦国時代に純真に相手を信じた指導者は敗北したという教訓を改めて説く(マイケル・ピルズベリー、『China 2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」』)。南シナ海の東南アジア沿岸諸国は中国のこのような夢を知りつつも中国が提供する経済的な餌の誘惑を振り払うことができない。
トランプが昨年12月に発表した国家安保戦略(NSS)で大きく扱ったインド太平洋戦略の実体は何か。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の外交・安保特別補佐官でもある文正仁(ムン・ジョンイン)延世(ヨンセ)大名誉特任教授は、トランプのインド太平洋戦略はオバマのアジア・リバランス(rebalancing)をトランプの好みに合うように名前を変えただけに過ぎないと述べた。「これは安倍晋三首相が推進してワシントンの菊派が前面に出している日本アジェンダです」。菊派とは親日派のことを指す。日本は笹川財団を中心に米国の政官界とシンクタンクを相手に持続的なロビー活動で強大な親日勢力を形成している。文教授は、インド太平洋戦略をトランプの陣営論理に根ざした派閥外交だという前提で、韓国は参加を否定も肯定もしない「NCND」の姿勢を取るのがよいと述べた。