【時視各角】小説家キム・フンの逆さになった大韓民国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.02.24 15:28
かつて韓国政界にはそれなりに見る目があった(と私は信じた)。しかし最近は残念に思う。民主党は飯の心配をする大企業トップを憎悪しろと煽り、セヌリ党は政府が路地の雪まで片づけると言い出した。そのようにして解決する問題なら与野党の見解が疑われ、そのように考えないのに口にした政策なら与野党の道徳性が疑われる。
塩野七生はローマ帝国の成功を「寛容」に見いだした。ローマ人同士で3度も同族間の争いの殺戮戦をしたが、「過去は過去」としてかばった。父と息子がお互い呪ったりもしなかった。これに対し我々は「味方/敵」から分ける。「正/誤」の科学的思考の代わりに「気に入る/気に入らない」の感情的な判断が支配する。それでは正しい社会はとうてい望めない。