最低賃金引き上げの副作用に戸惑う韓国政府

最低賃金引き上げの副作用に戸惑う韓国政府

2018年07月13日11時34分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  「一部業種・年齢層の雇用不振には最低賃金引き上げ影響がある」(金東ヨン〔キム・ドンヨン〕副首相兼企画財政部長官)

  「本来思ったより(最低賃金引き上げの)副作用が先に現れている。(洪鍾学〔ホン・ジョンハク〕中小ベンチャー企業部長官)

  文在寅(ムン・ジェイン)政府内で所得主導の成長に対する信頼に小さな亀裂が入っている。

  「最低賃金引き上げ」は所得主導成長を代表する政策だ。ところが、「経済のコントロールタワー」と与党の「経済ブレーン」出身の長官が最低賃金の否定的な影響についてこのように直接言及した。

  これは所得主導成長の成果がそれほど上がっていないことが様々な数値から証明されたためと分析される。まずは雇用指標だ。就業者増加幅が5カ月連続10万人台を下回ったのは、2008年の世界金融危機以後初めてだ。若者の雇用のための予算投入と政府の公共雇用拡大政策、労働時間短縮推進などの効果がなかったとも解釈できる。

  文在寅政府の自慢の一つは、昨年4年ぶりに達成した3%成長だ。今年もまた3%成長が可能だというのが政府の公式な立場だ。だが、通貨政策を主管する韓国銀行は、今年の成長率見通しを従来の3%から2.9%に引き下げた。韓銀は来年の成長率見通しも従来の見通し(2.9%)より0.1%ポイント下げた2.8%に下方修正した。小商工人・自営業者などの反発も尋常でない。全国コンビニエンスストア加盟店協会はこの日記者会見を開き、来年度も最低賃金が大幅引き上げになれば、共同休業など対政府闘争に乗り出すと声を上げた。

  振るわない雇用・経済指標に、経済政策の微細調整の信号が感知されている。洪長官が先に声を出した。文大統領のシンガポール訪問を随行中の洪長官は前日、最低賃金の水準を尋ねた質問に対し、「今(引き上げ)のスピードが合わず、お金が回る前に負担が大きくなっている状況」だと診断した12日、緊急経済懸案懇談会を主催した金副首相も記者と面会し、「経済状況と雇用条件などを考慮し、(最低賃金引き上げを)柔軟に検討しなければならない」と述べた。共に民主党の洪永杓(ホン・ヨンピョ)院内代表は党会議で「政府与党院内代表として雇用不振は非常に心苦しい」と述べた。その後、金副首相が洪院内代表のところを訪問し、雇用対策などを議論した。悪化した指標と予想できなかった集団的反発に慌てた政府が最低賃金引き上げのスピード調節に入ったと分析される。

  企業政策にも変化が感知されている。文大統領は9日、インドのサムスン電子工場竣工式でサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長と会合した。それに対し、企業政策の目標が「財閥改革」から「成長」に変わるのではないかと解釈されている。財閥改革の「執刀医」である金尚祖(キム・サンジョ)公正取引委員長も、あるメディアとのインタビューで「国民の雇用や生活などの問題をどのように解決するかに政府の成敗がかかっている」として経済成果に重きを置く発言をした。

  だが、青瓦台はこのような政策旋回の動きに対しては言葉を慎んでいる。与党では「李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政権の時、産業全般の構造改善を疎かにした結果」(洪永杓院内代表)だと、振るわない指標を「前政権のせい」にしている。ソウル大経済学部の表鶴吉(ピョ・ハクキル)名誉教授は「所得主導の成長政策は失敗したのが数値で証明された」として「これからでも投資活性化と成長潜在力回復に力を注がなければならない」と話した。
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