【現場から】政治論理に振り回されて予期せぬ方向に進む韓国の税制改正案
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.08.08 16:46
韓国政府は毎年8月初めにその年の税法改正案を発表する。税金に関連した法を定めることであるため、非常に敏感だ。それで政府は重要な税法を変える時、世論の推移を綿密に検討しようとする。主な手段が公聴会だ。今年は軽油税、所得税控除制度の改善案などに関する公聴会が開かれた。時間を設けて世論動向に注目して導入するかどうかを決め、副作用を最小化するためだ。
2017年税法改正案の核心は法人税・所得税の名目税率の引き上げだ。李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政府の減税政策に舵を切った。単に数値を変えること以上の大事な政策的意味を持っている。ところで、このような名目税率の引き上げが約10日で終わった。先月21日、秋美愛(チュ・ミエ)共に民主党代表と金富謙(キム・ブギョム)行政自治部長官が増税の雰囲気を作り、翌日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「方向は決まった」としてこれを後押しした。既存の税率に手を出さないという前提で改正案を立てておいた企画財政部は差し迫ってきた。慌てて野党の主張を反映して「富裕層増税」が盛り込まれた改正案を2日に出す必要があった。立法予告・国会提出などの日程を考えると、政府としては税法改正案の発表をさらに先送りすることもできなかった。わずか10日で世論の動向を把握し、長期的な波及効果をまともに分析することはできない。「手抜き増税」という批判が出ている理由だ。